krkの籠球 2

□秀徳高校男バスの日常
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我が秀徳高校のエース様はお約束ともいえるアイテムを傍らに人生を謳歌(?)していらっしゃるようだ。
本日のお供は目玉クリップ。知ってるかな? 手でつかむところがマルの目玉みたいになってる銀色に輝くぱっちんクリップだよ。
まともな文房具だからって、大小さまざまとりそろえて鞄に装飾したり制服のポケットにつける必要はないんじゃないのよ、真ちゃんwww。
ツッコミを入れたら確実に「馬鹿め。人事を尽くしているのだよ」と反論されるに違いない。

その目玉クリップの小さ目のやつを拝借して、真ちゃんの頭と俺の頭にそれぞれ『ぱちっ』とつけてみた。ラッキーアイテムは身に着けてナンボなんでしょ?

しかし意外とこれ髪引っ張るなぁ。地味に痛いかも。ハゲちゃったら困るなぁ。
案の定、真ちゃんもちょっと不快の模様だが、そこは本日のラッキーアイテムが相手だけあってじっと耐えてる。耐えてるよwww。

「高尾。ラッキーアイテムは悪戯の道具ではないのだよ」
「はいはーい。耐えきれなくなっちゃったわけね。オッケー、じゃあ取るよぉ」
「ば、馬鹿め。痛かったのではないぞ。少々髪がはさんでいたので痛むことを……「だいじょーぶだって。わかってるって」……ならいいのだ」

強情な真ちゃんはアイテムをけなす発言はしない。さすがというかゲン担ぎなのかな。
とりあえず頭から外して、俺の頭の分も足して制服のポッケに飾ってみた。クリップでピラミッドwww!!

「高尾!! 何をするのだよ!」

照れ屋の真ちゃんが焦った声を出したと同時に部室へセンパイ達が入ってきた。

「おはようございます。宮地先輩、大坪先輩、木村先輩」

やっぱ俺たち一年生だからさ、ちゃんと先輩方にご挨拶するわけよ。

「おう、早いな。で、緑間は今日も不機嫌なのか? 大きな声が響いてたぞ」
「……いえ、少々高尾がしつこかったもので」
「えっ!? 真ちゃん、それって俺のせいなわけ〜?」

「ったく。バカ尾、あんまり五月蠅くスっと轢くぞ」
「ひっでぇッス〜」

おいおい、何で俺が矢面に立っちゃうわけ? 既に真ちゃんは『本日の我儘その1発動』ってか?

「まあ、この部室棟も年季が入ってるから反響で壊れちまうかもしれないから、ちょっとはおとなしくしてくれ」

大坪先輩、優しいッス!

「おい木村。軽トラもってこい。あのチャラ顔したバカ尾を轢きコロス。こういうのは一度痛い目に合わせたほうがいい」
「おう。いい感じに硬いパイナップルもあるぞ」

「木村サン、宮地サン!! それは勘弁してくださいっ。轢き殺されたら二度目は無いっすよ〜」
「バカ野郎。サンじゃなくて先輩って言え。やっぱ轢く!」

きゃぁぁぁっ、視線が怖いっす! 宮地サンは本当は後輩にも優しいんだけど、ちょっとツンなんだってことは知ってますけど、その視線だとマジやばいですって!!


「しかし緑間。また今日もアイテムだらけだな」
「お前、カラスに狙われそうだぞ」

「ネコが寄ってこなければ問題はありません」

真面目に返す真ちゃんも真ちゃんだよwww

「アイテムってのは日替わりだが、1つでいいんじゃねぇのか?」
「人事を尽くした結果ですので。30センチほどの超特大サイズも画材店で販売しているそうなので、それならば1つでも大丈夫……「それはやめとけ〜」」

思わずツッコんじゃったよ〜。大きければ一つでいいわけ? それってアリなの?


「ああそうだ。ほら。頼まれてた『アイテム』だ。限定品だから汚すなよ」
「ありがとうございます。流石にこれは手に入りませんでしたので」
「だろう! 物販でやっと手に入れたんだからな!」

ん? 大坪サンが真ちゃんに何やらこそっと渡している。なんだろう。

「ねね、真ちゃん。何もらったの?」

興味津々のわくわく顔で真ちゃんと大坪センパイの間に顔を突っ込む。

「これは明日のラッキーアイテムなのだよ」
「何で大坪サン?」
「先輩でなければ手に入らないものなのだよ」
「えっ!! なになに!? 何なわけ!? 見せて見せてWww」

興味あるっしょ! さっき『限定品』って言ってたのは聞こえたんだけど。

煩いと邪険にしつつも袋から出してくれたのは……アイドル応援用アイテムだった。
まさかとは思いますケド……

「えっと、このうちわ、ペンライト、ハチマキの三点セット?」
「そうだ。明日のアイテムは『特定の人を応援するもの』なので、大坪先輩が応援されている推しメン用のアイテムをお借りしたのだよ」
「うちわは自作だが、名入ペンライトとハチマキは物販の限定品なんだぞ。宮地のみゆみゆではなく、俺推のマミリンのアイテムを貸してほしいとはな。緑間もマミリンを可愛いと思っているんだな?」
「いえ。興味はないです」

「……」
「……サーセン」

なぜか俺が謝ってしまう。

真ちゃ〜ん! そっぽむいてアイテムのパーツ研究してんなよ。

先輩撃沈してるんだけどぉ? これどうしたらいいと思ってるのわけ? ……あ、復活した。
さすがに真ちゃん慣れしてると復活はぇぇ。

てか、復活した大坪サンてば宮地サンのトコ行ってね?
やばいぞ。アイドル同盟が何か耳打ちしてるっしょ。やっぱこっち向かってくんじゃん。お説教か? お説教か!? お説教なのか!!!! 
……そして逃げられず、そのまま強制アイドル談義へとシフトしていくのだった。





流行りものはそれなりに抑えていますが、グループ系アイドルは見分けがつかないんで勘弁してください…… 

きゅうぅぅぅぅ……(ダウン)

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