krkの籠球 2
□ねえ、どこが好き? 【実渕】
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「ねぇるうちゃん」
「なあに? 玲央ちゃん」
「どうしてアタシと付き合ってくれてるの?」
「玲央ちゃんが大好きだから」
即答。
「ああん、もう嬉しいわ。じゃあどこを大好きでいてくれてるの?」
「うーん………全部?」
悩んだ時間があっても答えはとても大雑把。しかもなぜか疑問形。
「えっ!? 何で疑問形なの?」
「だって全部好きだけど、どこって指定されるとどうしたらいいかわかんないんだもん」
だってホントのことだもん。
「じゃ、じゃあアタシの外見が他の人みたい……たとえば征ちゃんとか小太郎とか……うーんイヤだけど永吉、、、みたいだったら? イヤ?」
「それはもう玲央ちゃんじゃないと思うけど」
でしょ? 言葉通りです。
「じゃ、じゃあアタシが……「ねえ、玲央ちゃん」」
言いかけたところを止めました。
「玲央ちゃんは私に何を言わせたいの? 何か聞きたい言葉があるんでしょ?」
仕方がありません。どん引きされるのを覚悟で正直に話しましょう。
「えっと、……あのねるうちゃん。呆れないで聞いてくれる?」
「はい」
「えっとね、えっと。……どこにも行かないでずっとずっとアタシとラブラブいちゃいちゃしてほしいです!!」
玲央ちゃんは顔を真っ赤にして、瞳を潤ませながら王子様のように跪いて私の右手をとった。
そして、幸せそうな眼差しで私を見上げるからこう返事する。
「うん」
「嬉しい!! るう大好き!」
手を引かれてそのまま玲央ちゃんの腕の中に引き込まれてぎゅっと抱きしめられた。
ねえ玲央ちゃん。
私こそお願いしたいよ。こんな愛想のない私のどこをそんなに好きでいてくれるの?
可愛くない私をからかって遊んでるんじゃないの?
でもそんな遊びだったら何年も構わないよね。せっかくのオフに私とお部屋デートなんてしないよね。
だから私も聞いてみる。
「ねえ玲央ちゃん」
「なあにるうちゃん」
私の髪に『ちゅっ』とリップ音を立ててる玲央ちゃんに声をかける。
「私の何をそんなに好きでいてくれるの?」
玲央ちゃんは大きく深呼吸して、私の眼をみて言ってくれた。
「るうちゃんの心がとてもきれいだからよ。そしてそのキレイな心を持つるうちゃんを愛しているから。って決まってるでショ」
見えないけど、見えてないけど玲央ちゃんが嬉しそうに笑ってウインクしたのがわかる。
「…………むぅ///」
今度はこっちから玲央ちゃんに抱き付くの。この赤くなった顔を見られないようにぎゅーってね。
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サイズ的には大型犬のサルーキ(大型の長毛系猟犬)だろうけど、まとわりつくその姿はどう見てもポメラニアン系の小型愛玩犬な玲央ねえを出してみたかったんです。