krkの籠球 2

□季節は関係あるのか? 【誠凛バスケ部】
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「台風も去って秋になりましたね」
「ってか、黒子!! 何唐突に話始めてんだよ」

ここは誠凛高校男子バスケ部の部室。
本日はすでに練習メニューを終了して、既に着替えを済ませたところ。

「秋になった」発言はバスケ選手としてはかなり小柄なうえに、チームメイトはもちろん相方にも見失われるほどの影の薄さを保つ黒子テツヤの発言である。
彼はバスケ以外の趣味としては読書を好むため、比較的季節の移り変わりなどを感じる風流人である。

対するは豪快なダンクをメインとした迫力のあるプレイでチームに貢献する赤毛男子で現在の黒子の相方、火神大我。
190cmの大柄男子であり、さらには通常時はやや目つきが険しいにもかかわらず、料理が得意(かなり上手い)という一面もある。
食事も豪快で、まるで熊のような大食漢であるが、食べる姿はこれまたリスのように頬を膨らませて食べるの姿はギャップ萌えである。

一年生でありながら誠凛高校バスケ部のレギュラーとして、日々過酷な練習に身を投じている二人にはゆったりと季節を満喫しているヒマはないのである。

「ってか、確かに日は短くなったし、蒸し風呂のような体育館の扉を開けるドキドキ感はなくなった。黒子もコート内でダウンすることも少なくなったもんな」

そう相槌を打つのは木吉鉄平。193cmと、火神より大柄であるが口調も柔らかく天然のボケ体質なため人当りは柔らかい。

「ダァホ。俺たちの季節は試合で移行してんだよ。夏はIH、冬はウインターカップなんだよ」
「そうかぁ? リコによるハードメニューだらけの合宿でも季節は移ろってないか?」

さすがは天然ボケ男である。主将であるメガネ……もとい日向に対し、微妙な的外れで受け答えをしている。

「ダァホ!! それコミでの試合だろうがっ!」
「そうなのか?」

キレ口調の日向を風を受け流すかのようにひるがえす。
こういう姿を目の当りにすると、『いつ自分はこういう受け流しができるようになるのだろう』と考えるが、『ぜってー無理』と思う火神である。
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