薄桜鬼_現代 主は小説家

□ご近所さん、よろしくお願いします 平助、斎藤編
1ページ/3ページ

平助くんと話していて疑問に思っていた件を伝えさせてもらいました。
それは平助くんのルームメイト。

「あ、そういえば。ねぇ、私まだ平助くんのルームメイトに会ったことないかも」

と、何の脈絡もない唐突な質問。ごめん、勢いで生きてるとよく称されるB型(全国のB型のみなさんがそうとは限りませんよ!)だから仕方ないと納得して!

「えー、そうなの? 一君は見かけてるみたいだけど」
「ウソ、マジで!?」

一体どこで見かけたんデスカ? ウチは3階、平助くんのところは2階。エレベータ使う人だよね。
私、あんまり人とエレベータに一緒に乗った記憶ないんですけど?

「どこで見てるんだろ」
「引っ越しの日にも見かけてるらしいし、エントランスとか、近くのスーパーとかで買い物してるのも見たって言ってたよ」
「うっそぉ」

全然記憶にないよ。
平助くんの話だと、中高の同級生で今は大学生だって言ってたよ。平助くんの親友でってことは似てるタイプだよね。そんな人に会ったこと、いや近隣で見たことないような気がする。少なくてもエントランスで会う人にそんな人いたっけ?


「ぜひ挨拶したい! 今部屋にいる?」
「どうかな。ちょっと携帯にかけてみるよ」

そういって取り出した携帯で電話を入れてもらった。
3回コールすると留守番電話に切り替わった。はやっ! いまどき学生の必須アイテムだよ。3コールだなんて、そんな短時間で切り替えるってことは電話出る気ないでしょう。

「とりあえず授業中じゃないことは確かだから、そろそろ戻ってくるんじゃないかな」

なぜわかる!? 君たちは以心伝心のカップルなんですか!?
と私の顔が物語っているのを汲んでくれたのですかね、平助くん。さくっと答えてくれましたね。

「一君は授業中は前後5分を含めて電源落としちゃうんだ。マナーモードにすりゃいいのに、『礼儀だ』って言って切っちゃうんだ」

なるほど。大変に律儀な方のようで。
で? なんで授業中じゃないと「帰ってくる」につながるんだろ。バイトとか、バイトとか、バイトとか、デートとかは?

「必要なこと以外ではあんまり出歩きたくないみたいなんだよね」

平助くん、君はエスパーさんですか? 私何にも言ってないンデスケド?
何やら冷や汗が垂れてきました。

「るうさんわかりやすすぎなんだよなー。顔に全部書いてあるみたいな感じだし」

へっ!? と頬を手で隠した私に対して平助くんが必死に笑いをこらえてたけど、ついに噴き出してしまった。

「ものの例えじゃん。わははは、すっげー腹いてぇ」

そしてそのまま悶えて大笑い。もしもーし。ここ、一応共有エリアだから公共の場ですよー。
だめだ。とても聞こえる耳を持っているとは思えない。

とりあえずココに放置しておけばいいかな、なんて思ってたら背後から涼やかな声が響いた。


「平助。ここで騒いでいては迷惑になるだろう」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ