薄桜鬼_短いもの
□想定してみよう!_3 本当は?
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「テメェ、何しに来やがった」
「貴様らなどに特段の用はない」
優雅に先ほどお出ししたお茶をすすっていらっしゃいます。ここはお抹茶のほうがよかったのでしょうか。
「また雪村を連れ出しに来やがったのか!?」
「まあ待てトシ。そんな剣幕で問いただしても風間君がしゃべれないじゃないか」
「近藤さん、アンタはなんでそんな……はぁー。で、何の用なんだ。今日は珍しく供がいねぇじゃねぇか」
「天霧のことか? あ奴は別件の用事に向かっている。それに貴様らごときが向かってきても片腕で十分だ」
ここにいても何の心配もいらん、って相変わらず俺様全開ですね。
「で、何の用なんだ」
「フン。少々暇になったのでな、貴様らと遊んでやろうと思って来たまでだ」
「はぁぁぁぁ?」
土方さん、その声は間抜けすぎます。
鼻でフンと笑われましたね。ああ、土方さんの眉間は水でもたまりそうなぐらい窪みがございましてよ。
「るう、こいつをしっかりと見張ってろ。何かあったらこの際だから犬笛でもなんでもして全員に知らせろ」
そう言って立ちあがってから、また思い出したのでしょうか。低くため息をもらしながら
「だが……山南さんには知らせるんじゃねぇ」
「わかりました」
全員呼び出しするような騒動に山南さんが気づかぬわけがないと思うのです。正直、山南さんに伝えずに全員に伝えられるかは全く自信がありません。
とりあえず副長命令ですからね。きっちりとお返事をさせていただきました。
まあ、土方さんは私の返事なんか聞いてんだか聞いてないんだかわかりませんが、そう言い残すと自室に戻られてしまったようです。
土方さんがいなくなってしまったので居心地が悪いのか近藤さんも「ちょっと出ないといけないから。すまないね」と言い残して逃げてしまいました。
……気まずくて逃げるぐらいなら呼びこまないでよ。