レグルス 〜わたしの1等星〜

□6 英国生活
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がんばれジンパチくん 5
(世界で頑張る東堂尽八のブログ)
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みんな、応援ありがとう!
世界の山神(そう呼ばれる日も近い)東堂尽八だ!

なにを隠そう、オレはイギリスにやって来た。これからはイギリスのチームに所属するのだ。
みんな、これからも声援を送ってくれ!

さて、イギリスでの生活だ。この島国は今までの国とは気候も少し違う。ちょうど今のシーズンはラッパ水仙の花が咲き乱れていてな、それは美しいものだ。

イギリスでの住まい探しには、友人の協力を得た。

賄い付きの下宿なのだが、うむ。イギリス人という人々は何故なのだろう、野菜を煮すぎる傾向が強いようだ。

ほうれん草が……茹ですぎを通り越して可哀想な状態になって皿の上に登場するのだ。

いや、これは本当の話だ!たまたまではない。ほうれん草に限らず、茹でて食べる野菜はクタクタになるまで茹でるというポリシーでもあるんではないかと思う。

フランス人からイギリスの食事は美味しくないと聞いていたのだが、想像以上だった。

もちろん、美味しいものもあるのだが、日本の美食に慣れたこの舌には合うものが少ないようだ。

おっと友人が呼んでいるので、今日のブログはこれくらいにしておく。

とにかく、オレはイギリス生活の始まりを楽しんでいるよ!では、また!


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「巻ちゃん、巻ちゃん、待たせたかね?」

尽八はコートを羽織ると、嬉しそうに階段を駆け降りた。

「いや。お前、またブログ書いてたのか?本当マメな男っショ」

「今日は日本食をご馳走になれると聞いて楽しみにしていたのだよ」


尽八の高校時代のライバル、巻島はイギリスで大学に通っており、尽八にイギリス生活のノウハウをなにかと教えてくれる。


「日本食っつても、兄貴の彼女が作る料理だからウマイか分からねぇけどな」

「なにを謙遜しているのかね?少なくてもビーンズは出ないのだろう?あの大豆のトマト煮ときたら、最近は皿の上の赤色を見ただけで憂鬱になる……」


尽八はその味を思い出して、げんなりと頭を下げた。


「あ〜、あれお前、嫌いなんだ。イギリス人の定番料理っていうか、缶詰開けて温めるだけの代物だけど、よ〜く皿に乗ってるよな」

「ビーンズとライスプディングはどうにも受け付けなくてな!それと羊!イギリスの肉は牛もだが、独特の臭いがある気がする」

「ハハッ、まあ、今日はお前の嫌いなものは出ないっショ」

「ところでだな、巻ちゃん!」


尽八はイギリスの地で、今晩、友人と語り合えることに、胸を弾ませていた。
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