レグルス 〜わたしの1等星〜

□2 プロへの第一歩
1ページ/2ページ


───────────────────
がんばれジンパチくん 2
(世界で頑張る東堂尽八のブログ)
───────────────────

みんな、応援ありがとう!
世界の山神(予定)東堂尽八だ!

みんなはヨーロッパに来たことはあるかね?

こちらのホテルは湯船がないことがあって、オレには驚きだ!
湯船があっても温まる習慣がないのか、平ぺったい長い湯船が鎮座しているのだ。寝そべらないと肩まで湯に浸かることが出来ぬ。不便なものだ。

あるホテルでは湯船に湯を汲んだのだが、溜まった湯が見事に錆び色だった時があって、その時は心底悲しかった。
寒かったのでそのまま錆び色の湯に浸かってしまったが。

安いホテルしか泊まらないからなのか?風呂で悲しい想いをするたび、実家の温泉が思い出されてしまう。

いや、別にホームシックという訳ではないのだが。



さて、オレは今日フランスで、とある小さな大会に出た。とあるチームの一員としてだ。

こちらのプロ選手はすごいな。選手の数も桁違いだし、日本でのプロ野球中継のように、毎週ロードレースの中継があるから、選手達はスター扱いだ。

弱小チームでも、応援してくれる地元民がたくさんいて、沿道で声援を送ってくれる。

まだ正式にチームに所属したわけではないが、こんな環境で自転車に乗れたらいいなと思う。


今日の写真は本日の優勝者、アンリとのツーショットだ。オレも勝利に貢献できたと思う。



明日も晴れるといいな。



───────────────────


ブログにはホームシックではないと書いたが、その実、尽八はこのところホームシック状態だった。

高校入学と同時に実家を出て寮暮らしをしていたとはいえ、高校と実家は近かったし、寮ではいつも仲間と共に過ごしていた。

だから、尽八にとっては初めての一人暮らし。しかも周りは日本語が通じない!おしゃべり好きな尽八にとっては厳しい状況だ。


ベッドの上で膝を抱えてゴロンと転がってみる。


「あ〜あ、日本では今頃みんなどうしてるんだろう?……駄目だ駄目だ!ウダウダしている場合ではない!」


「コンコン。ジンパーチ、いるかい?一緒にメシ食いに行かないか?」


折よく声がかかった。今日共に走ったチームのメンバーだった。


「そうだ、言いたいことも言えずに無口でいるなんてオレのキャラではない!たとえヘンテコな外国語でもいい!練習だ、いっぱい話すぞ!」


尽八はそうひとりごとをつぶやくと、本日の練習相手の元へ足取りも軽く向かった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ