小噺。

□「九龍城砦」
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「九龍城砦」

裂けた柘榴、泣き喚く児共、瓦礫散乱、灰色の街。
崩れ堕ちた帝政、横行麻薬、日常的殺生殺傷、乾涸びた朱。
此処では、世界一般が一方的に決め付け押し付けた法律など、何の役にも立ちやしない。

詰め込み、壊し、それでも尚、横へ地下へ、侵蝕を繰り返す、時代に取り残される事を望んだ歪んだレトロ。
此処は香港、九龍城砦。
愛憎歪んだ


「また貴方ですか、白澤さん」



「僕は元々、神獣なんだよ?鬼灯」
「…アタマ、大丈夫ですか?良い薬…覚醒剤とかじゃない良い薬、紹介しましょうか?」



「私、貴方を殺さない限り、帰れないんですよ。ですから、大人しく死んでください」
「じゃあ、一緒に逃げようよ」

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