トラブル堕天皇子

□降臨
1ページ/2ページ




「くそ!」


精霊と化した折紙


「お前は……お前はそんなもんが欲しかったのか!」


「精霊を倒せるなら!なんだって利用する!」


街が破壊されていく


「やめろ……やめろよ……」


八舞姉妹と出かけた街


友と話し合った学校


親友の士道、妹分の琴里の家


愛する二人と過ごした場所


それらがみな壊れていく


「やめろォォォぉお!!」


霊力を吹き出すと同時に霊装の上一枚が深紅になり、群青色のマントが垂れる、頭に羽と星の装飾品がつき、12の翼が展開する


「これ以上、破壊すんじゃねぇえ!!」


血色の双眸で睨み、勿忘草色の籠手で霊力の剣を握り、斬りかかる


「くっ!」


その剣も謎の障壁に阻まれる


「てめェは、なぜそこまで過去にこだわってんだ!俺が見てきた奴らの中には親が殺されたかどうだかわ知らないが、同い年でガキの頃から親がいねぇやつが必死に生きてんだよ!てめェだけ、逃げてんじゃねぇよ!」


その声が届いたのかどうかはわからないが折紙が動いた


「うるさい!」


でも


「…!?」


折紙が構えるは砲撃


それも超巨大な


「これ以上…っ!」


発射されようとしている


「やらせねぇぇぇえ!」


明の巨大な霊力とぶつかる


やがてその巨大な霊力のぶつかり合いは明が勝ったがその威力で空間に穴を開けた


「穴が…っ!」


「何!?」


折紙が吸い込まれていく


「ちっ!」


リヒトで加速した明は折紙をつかんで穴とは反対側に思いっきり投げる


「過去にとらわれた考えは捨てろ!」


代わりに明は穴に吸い込まれた





「ん………」


「あ、目が覚めた?」


「ん、ここは…?」


「俺の家。君、道に倒れてたんだよ?」


「そうか、俺は倒れていたのか…」


手を見る、そこには感覚もあり、折紙を投げた記憶もある


「夢じゃないよな…」


「何がだい?」


「いや、なんでもない。ところで君の名前は?」


「結城梨斗。リトでいいよ」


「金星明だ。明でいい。助けてくれてありがとう」


「そういえばなんで道で倒れてたんだ?」


「いろいろあってな。ここは天宮市か?」


「天宮市?聞いたことないな」


「え……。空間震警報のあとどうなった?」


「空間震?なんだそれ?」


「空間震がない…?」


「どうしたんだ?」


「すまない、この星に人類以外の生命体はいるか?それともある日を境に特殊な技術など発達しなかったか?」


「じ、人類以外の生命体って宇宙人とか?」


「ああ」


「い、いるわけないじゃないか」


「いるんだな」


「……」


「読心術は少し心得ていてな」


「実は君を見つけたのがその宇宙人なんだよ」


「ほう…あとで礼を言っておかなきゃな。それとリト、ここは俺のいた場所と違う星らしい」


「はあ?」


「ようするに俺も君たちからしたら異星人ってことだ」


「マジか…?」


「マジだ。それにしても異世界に来るのも三回目か」


「三回目って今までどうやって生活してきたんだよ…」


「家を買って生活していたが?」


「異世界に行くたびに?」


「ああ」


「それにしても、今回はどの学校に転入すべきか…」


「ならウチの学校に来ればいいじゃん」


「いや、しかし…」


「事情を知ってるのは俺だけなんだしな」


「部屋の外に三人、いや、三人と一体いるぞ」


「っておい!」


リトが扉を開ける


「あ、ばれちゃった?」


「なかなか鋭い」


「体調はどうですか?」


「ああ、大丈夫だよ」


「金星明だ。助けてくれてありがとう」


「ララ・サタリン・デビルークでーす!」


「ザスティンです」


「結城美柑です」


「学校には明日朝先生に連絡入れておくから、放課後にこいよ」


「わかった」


.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ