東京堕天皇子

□修祓
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−霊災確認!キマイラ01、フェーズ4に移行!繰り返す!キマイラ01フェーズ4に移行!


「くそ!」


「鵺が逃げるわ!」


「木暮!」


「わかってます!来い!」


木暮が呼ぶとバイクがひとりでに木暮のもとに来る


「平田、この子たちを安全なところへ」


「はい!」


「宮地さん!あとはお願いします!」


「早く行け!」


「明!?」


「何!?」


「我に掛かりし使の力を封する呪よ!我今その力を求めん!我が名において、その封を解き放て!急急如律令!」


明から光が発せられ、その光がなくなると、白の装束をまとい白の剣を持った明がいた



「逃がすものか!」



明は白の翼を一対生やして空を飛び鵺を追う


「彼は…」


「僕も彼の後を追います!」


「いいだろ、陣には黙ってろよ」


明side


「(何故だ、何故追いつけない…?俺が弱いからなのか?何も守れないのか?)」


-僕が守るから


「俺が、俺が守るんだぁあ!」


叫ぶと、さらに背中に一対の翼が増え二対になる


「鵺は、俺が!」


さらに加速する


夏目side


「翼が増えた…」


「また早くなったな」


「(明…君は…その力は一体何だい?)」


明side


「(夏目にこの力を何と説明したらいいのやら)いや、今はそれより!」


キッと鵺を見る


その時、何かが鵺に激突する


「烏天狗!木暮さんか!」


鵺は神宮球場へと落ちていく


「いや、フェイントだ!」


明は鵺が出てくるのを待つ


「来たな!」


出てきた鵺をそのまま追う


「お前は、俺が!」


−きゃぁぁぁぁぁあ!!


「……!夏目!」


止まって下を振り向いた間に北斗が通り過ぎる


「夏目!」


明は走っているバイクに向け飛翔する


「明!?なんで飛んでんだ!?」


「そんなことは後だ!夏目、こっちに来い!春虎はコンに抱えられたままちょっと待ってろ!」


「む、無理だよ!」


「烏天狗、コン!春虎をちょっと持ってろ。夏目を抱える!」


明は後ろから夏目の腕の下に手を入れ持ち上げる


「あ、明どこ触って!?」


「わ、悪い!!い、今だ!春虎をバイクにおけ!」


「了解だカー!」


「あ、明くん!?」


ある程度の高さまで来ると左手を膝裏に入れお姫様抱っこになる


「わるい、こっちの方が加速できるんだ」


「で、でも…」


夏目は恐怖心からか明にしがみつく


「俺が守るから」


「え……」


さらに一対翼が追加される


「翼が…」


「よし!これなら!夏目、飛ばすから掴まってろよ!」


「うん!」


明は鵺に追いつく


「麟!」


空中で麟を呼び出す


「夏目は麟に乗ってくれ」


「うん…」


残念そうな顔で麟に乗せられる夏目


「行くぜ!」


明が白き剣を振るうと霊力がその軌跡となり鵺へと向かう


それが直撃すると鵺はバランスを崩す


「逃がすか!」


明は鵺の上へ位置取ると白き剣を背中に投げつける


動きの止まっていた鵺にそれはあたり鵺が悲鳴をあげる


「堕ちろぉぉぉぉお!」


刺さった剣めがけて重力と加速の勢いをそのままに鵺めがけ落下し剣を掴み、その勢いのまま刺し落とす


「ふぅ、堕ちたか。でも、まだか」


「明!」


「光の域への加速」


明は誰にも視認されることのない速さの世界に入る


「なんだこの世界、俺はなんでこれを使えた?いやでも鵺を、この手で!」


ザシュ


鵺の首を取る


速さが元の世界に戻る


パキィ!と音がなり明の白き纏いと剣は解かれる


「ふぅ…終わったな」


「修祓、したのか?」


「おお、冬児、少し遅かったな」


「みたいだな」


その時一台の車が視界に入る


「閉鎖が解かれたのか?」


「(違う、閉鎖なんて解かれてない!)」


明たちの目の前で車は止まる


後部座席の窓が降りる


「春虎様!?」


コンが顔を青くして言う


「少しは回収するはずじゃったが……どうやら跡形もなく払われたようじゃのう。まぁ良いまぁ良い、今宵は実に楽しませてもろうた。楽しみじゃのぅ、実に楽しみじゃ。じゃがお主らは雛も雛じゃ。卵から孵ったにすぎん……まぁそこの小僧は別のようじゃが」


明に視線を向ける


「精進するがよい。そして早く…こちらにおいで」


「あ、あなたは誰だ!」


夏目が怯えながらも訊く


「儂の名は、蘆屋道満。そういえばお主、何処と無く黎明と似ておるの」


「何故、黎明を知っている…!」


「ふぉふぉふぉ」


「(蘆屋道満…!)」


その間にも車は移動しどこかえといってしまう


「な、何だ…意識が…」


「コンめも不覚を…」


「嘘です…そんなはずが…」


「何故、黎明を…蘆屋道満…貴様は……」


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