東京堕天皇子
□生成
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「おら、とっとと追えよ十二神将鏡」
黒の翼を生やした明が言う
「お前も生成りか?」
「違う、感情が形になっただけだ」
−鏡、何してるか!
「(烏天狗?式神か?)」
「鏡!鵺はどうした。気配はしたが修祓した感じじゃなかったぞ」
そこにバイクに乗った男が現れる
「十二神将の…」
−鏡のバカ鵺逃した!
−失態!失態!
「鏡、鵺はどうなってる」
「鵺なら逃げちまいましたよ」
「仕留め損なったのか?お前が?」
「遊んでたんだろがクソ十二神将」
「ちッ!やっぱこれ双角会っすよ」
「やはりか、陰陽塾、なるほどそういや陣がそんなことを。よし鏡!俺と共に鵺を追え」
「は?」
「仕事だ」
「ちッ」
「鏡が色々やらかしたと思うが緊急事態につき、霊災追撃に移らせてもらう」
「ご武運を」
「明、冬児、てめぇらの名前覚えたからな」
「き、消え…」
「禹歩だな」
明は翼を仕舞う
「冬児は?」
「まだ目が覚めない。俺の親父が施した封印を安定させてる」
「冬児くんが…まさか…」
「ごめん、夏目や京子も悪かったな今まで黙ってて」
「確かに…なかなか言い出せることじゃないわね…」
「冬児のことは責めないでくれ、あいつは俺に気を使って黙ってたんだよ…あいつは、本当に安全なんだ…!ずっとそれ系の施設で治療してたしさ、俺、親父と一緒に何回か行ったことあるんだけどすげえキツそうでさ。確かにその頃は暴発ってか、お、鬼になりかけたこともあったんだけど、今は本当に、絶対に大丈夫だから!」
「ここにいたのか」
「はい?」
「塾長が君をお呼びだ」
「俺の竜を囮に?」
「動的霊災は、竜の持つ上質な陰の気を好むの」
「いいでしょう」
「でも明!」
「黙れ春虎」
「う…」
「でも、大和がやられたら俺自身が殲滅しますがかまいませんか?」
「ええ、いいでしょう」
電話が鳴る
「ええ、そうですか」
それだけ言うと、受話器を戻す
「冬児さんの意識が戻ったそうです」
「本当ですか!?」
「でも、いなくなったな。気配が感じられない」
「そのとうりです。少し朦朧としていたようだし、正直よくない傾向ね…」
「ほれ春虎」
「な、何だよ」
「行けよ、探しに」
「え…?」
「夏目は俺が守るからお前はバカな友達を探して一発ぶん殴ってやれ」
「ああ!」
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