東京堕天皇子

□鬼喰
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キーンコーンカーンコーン


「プリントは後ろから集めてこい」


「あの…春虎くん?」


「は、はは、惨敗だ…」


「まだだ!まだ、実技がある!」


「そういやそうだな」








「やった!」


「すごいよ春虎くん!この半年で急成長だね!」


「春虎、次は俺の相手してくれよ」


「ああ、いいぜ明」


「は、春虎様?この方とはお辞めになった方が…」


「何言ってんだコン!俺たちの成長を見せる時だ!」


「んじゃ、俺は木刀使うわ」


「え?何でだよ」


「その錫杖切断されたり、コンが斬られたり、お前が斬られたりしてもいいなら、あいつらを使うけど?」


「ぜひ、木刀でお願いします」


「夏目か天馬か京子、合図頼む」


「それじゃ僕が。始め!」


「行くぜ明!」


「遅い」


壁を使い高速で呪術場を縦横無尽に跳びまわる


「くそ!目で追えない!」


「何か…展開が予想できちゃった…」


「奇遇だね僕もそうだよ…」


明は執拗に錫杖を狙う


「手が痺れて…」


「春虎様!」


「うわ!」


錫杖が春虎の手から離れる


「てい」


「痛い!」


春虎の頭を木刀で軽く叩く


「春虎様!お怪我は…」


「ああ、大丈夫だよ」


「次からは初瀬の技以外を使うか」


ポン!


「そんな!あんまりです!」


「いやだってな、これじゃ訓練にも練習にもならないだろ」


「でも!」


「はいはい、わかったから戻る」


「う〜!」


ポン!


「春虎!呪力のねりかたを徹底的に鍛えるぞ!」


「鍛えるって言ったって」


「錫杖は実技試験に持ってけないぞ」


「でもなぁ…あれ?冬児は?」


「冬児なら塾長に呼ばれたぞ」


「何か問題でも起こしたのか?」


「お前じゃないんだから」


「明、お前!」









「今夜は寝かせないからな」


「うわ、マジかよ」


「……」


「どうした?」


「いや、視線を感じてな」









「はぁ〜ようやく飯にありつけた〜」


「おいたわしや、春虎様」


「それが食べられればいいな」


「ん?いただきま〜す!あれ?」


「ふふ、ふふふふふふ…お腹に詰め込む前に頭に詰め込むものがあるんじゃないのかい?」


「お、鬼かよ」


「我が主の夕餉を邪魔するとは夏目殿とあっても許せませぬ!」


「春虎の主は僕だ」


「目に余ると申しておるのです」


「みんな不眠不休でやってるんだ、僕だって何も」


「それはコンめも同じでございまする!」


「いいや、コンより僕のほうが!」


「いやいや、コンのほうが!」


「僕のほうが!」


「コンでございまする!」


「平和だな」


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