東京堕天皇子
□学舎
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「これが陰陽塾?かっけー!」
「中身は最新施設らしい、陰陽師を目指すエリートが集まるんだからな」
「実感わかねー」
「そのうち嫌でもわくだろうな」
自動ドアが開く
-土御門春虎に阿刀冬児それに金星明だな
「喋った!?」
「式神か」
-我らは高等人造式、アルファとオメガ
-汝らの霊気を確認、登録した。良き陰陽師となるべく精進するがよい
「すげぇな陰陽塾」
-土御門春虎と金星明、汝らの式神も共に登録した
「え?何のこと?」
「ああ、ありがとな」
またドアが開く
-ようこそ陰陽塾へ、まずは塾長室へどうぞ
そのまま塾長室へと向かう
「私が塾長の倉橋美代です。あなた達が夏目さんの飛車丸と角行鬼ということですね」
「三人ですけどね」
「あの噂は知っていますよね?土御門夏目さんが夜光の生まれ変わりという噂。夏目さんの特別な関心はあなた達にも向けられることでしょう。私たちも相談に乗りますが、早くそうゆうことに慣れてほしいと思います。夏目さんのように」
「(耐えてたんだな…)」
「お三方は夜光についてどんなイメージを持っていますか?」
「古い親戚の有名人で、厄介ごとのイメージしか」
「あなたは?」
「戦時中、軍部の要請で、現代陰陽術の元となる帝国式陰陽術を生み出すも、敗戦直前に、呪術儀式に失敗。東京で多発する霊災の原因を創った人物。功罪共にデカすぎて言い表しにくいが、天才、でしょ」
「じゃあ、最後にあなたは?」
「先代の大親友」
「あら?それだけ?」
「それだけも何も、それだけしか意識してないので」
「将棋がね、好きだったんですよ。でも弱くてね、弱いのに好きでやろうやろうって。そのくせ負けると拗ねるもんだから、みんな迷惑していましたよ」
「あったことがあるんですか?」
「まだ私が、ほんの子供の頃ですけど。夜光だって、貴方がたと同じ、普通の人間だったんですよ。でも、それがわからない人たちもいるのです。夜光の人格を無視し、盲目的に祀り上げる、夜光信者と呼ばれる人たちとか、ね。彼らは、夏目さんにも接触を試みてきました」
「夏目に!?」
「イメージというのは一種の呪術なの。噂だって同じ。人に作用し、人を惑わすわ」
トントン
扉をノックする音が響く
ガチャ
「塾長〜、失礼します〜。いい加減時間押してますけど〜」
「ごめんなさい、今終わりましたよ」
「ん?これか?カッチョええやろ。僕も陰陽師の端くれやさかいなぁ。こんくらいハッタリ効かせんと」
「胡散クセェ…」
「大友陣先生。あなた達の担任です」
「ええ!?」
「ええってなんや…」
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