東京堕天皇子

□絆
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「で、何の用だ?」


「昨日は悪かったわね」


「は?」


「成り行きで、ああなっちゃったけど、元々文句をつけたのは大友先生に対してなんだし…」


「はあ…」


「とにかく、大袈裟になったことは謝っておくわ」


「倉橋は俺たちをダシに夏目に突っかかってるのか?」


「昔一度会ったことあるのよ夏目くんに」


「ああそれ人違いだ」


「はあ!?なんでそんなこと言えんのよ!」


「何でって、他の家の人来ても基本夏目は俺と遊んでたし」


「嘘…じゃあ、私今まで勘違いを……」


「そうなるな」


「そんなトコで何をしている!二人でコソコソと出て行くから何かと思うじゃないか」


「ああ、夏目か。これは和解をしててな」


「和解?」


「昨日のことで話し合ってな、話し合ったら案外ちょっとしたことだったんだよ」


「………」


「何、心配するな、仲直りしただけだよ」


「そうか……」


「ああ」


明は夏目に近寄る


すると


「な!」


「危ない!」


「夏目!」


夏目は明を突き飛ばすと黒い霧のようなものにのまれる


「明!」


「阿刀くんに春虎に天馬!」


−貴様のような下郎が北辰王の御心を乱すなど、承服できんわ!


「北辰王!?まさかこれ…」


「夜光信者!」


「どうゆうことだ」


「君たちが入塾する二日前夜光信者が夏目くんに接触してきたんだ」


「何だって!」


「拉致しようとして呪術のやりとりにまでなったって。その件で夏目くんは呪捜官の取り調べを受けていた、ほら休み時間の」


「特別カリキュラムって…」


「………」


階段に寒気が満ちる


「明?」


「帰れ」


それだけ言うと謎の存在は帰っていく


「甲種言霊!?」


「返してもらうぞ、夏目を」








「夏目」


「間に合った!」


「王よ、今からあなたの護法たる我々があのガキとの格の違いをお見せします。ご覧あれ!」


「鬼?」


「隻腕!そんな、まさか…」


「北辰王、土御門夜光が使役せし二体の護法、我こそは角行鬼!」


「そして、我が名は飛車丸!」


「角行鬼!?」


「京子、わかるか?」


「角行鬼は使役式、つまり実体化した霊的知性体、それも何百年も生きた本物の鬼だと言われているわ。だとしたら外見は大幅に変化できたはず、片腕がないという特徴を除けば」


角行鬼が殴りかかる


「く!みんな!」


明以外は散開する


「この錫杖、呪術か、流石大友先生!」








「角行鬼、やっちゃって〜!」


「偽モン風情が!」


明が怒鳴るとそれだけで鬼が壁に叩きつけられる


「な、何!?」


「角行鬼だ?何百年だ?こちとら代々の式なんでな…本物かどうかなんて聞いたら一発だ」


「まさかお前、北辰王の……!」


「ああ、大親友だった暁の子孫だよ。初瀬!」


初瀬は双剣になる


「刻み殺す」


「ひぃ!?」


地面を蹴り、視界から消える


その間に鬼が刻まれていく


鬼が消えると同時に初瀬を戻し、夏目を奪取する。いわゆるお姫様抱っこで


「逃げたか…」





「明くん、来てくれてありがとう、嬉しかった」


「気にすんな、俺ら仲間だろ?」


「天馬くん、倉橋さん。ありがとう。迷惑をかけてすまなかった。倉橋さん、あんな態度を取ってた僕を助けてくれてありがたく思うよ」


「そ、そんな。気にしないで」


「そういや偽モンって言ってたな、あれどうゆう意味だ?」


「そのまんまだアレは偽モンの雑魚。本物の角行鬼なら俺の式があった瞬間反応するはずだ」


「でも何で反応するの?」


「あれ?聞こえなかったか?夜光の大親友は俺の先代だ。夜光の式ぐらい知ってて当然だろ」


「なるほど…ってええ!?」


「ま、教科書見た感じ載ってなかったけどな、大親友って」





「夜光信者は逃走中」


「春虎様」


春虎とコンが廊下に出る


「夏目!?」


「あ、言うの忘れてた。今日から夏目はここに住む」


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