東京堕天皇子

□学舎
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「あのバア様、あんななりしとるけど、裏の業界の元締めやなんでぇ」


「塾長が言ってたんですけど飛車丸とか角行鬼って何ですか?」


「夜光の式神の名前や。常にそばに付き従い夜光を守り続けた。滅法強かったらしいでぇ」


そして教室にたどり着き、中に入る


「ほら三人とも挨拶」


「土御門春虎、です」


「阿刀冬児です」


「金星明です」


「もっとアピールしぃな」


「(夏目…)」


明が夏目を見つけると夏目はこちらに微笑んでくる


「三人はみんなより半年遅れなわけやから、色々教えたってや」


「先生」


一人の女子生徒が手を挙げる


「京子くんか、なんやぁ?」


「おかしくありませんか?この時期に突然編入なんて、本来なら来季まで待つはずでしょう?彼が土御門の人間だからですか?それとも金星の人間だからですか?納得できません!」


「言いがかりも甚だしい」


「やめろ夏目」


「でも…」


「言わせておけ。どうせ塾長の孫といっても一生徒、そんなもんで異議を申し立てても何にも変わりはしない」


春虎は二人の間でバチバチと稲妻が迸っているように見えた


「あの…止めなくていいんですか?」


「おお、忘れとったさかい」


「(頼りにならねー!)」


「おい…冬jワクワクしてんじゃねー!」


「(どいつもこいつも…)」









「さっきのことは気にしなくていいから明は堂々としてて」


「気にするも何も、はなから気にしてないさ」


「あの京子ってのはいつもああなのか?」


「ううん。でも今日みたいのは珍しいかな」


「夏目くん!担当の人来てるよ」


「あ、行かなきゃ。僕今特別なカリキュラム受けてるんだ」


「(怪しい…)」


「明、春虎、冬児!」


「ん?」


「これから一緒に頑張ろう!」


「そうだな」


「お、おう」


「ああ」


「男装してる所為かな、あいつガキっぽくなってねぇか?けど、違和感ないんだよな」


「だろうよ、さてと。一緒に来い」


「ん?」


さっき夏目を呼んだ生徒のもとに近づく


「さっきはど〜も」


「え?」


「ちょっとクラスのこととか教えてくれないか?え〜…」


「はい、百枝です。百枝天馬」


「よろしく」


「俺もいいかな?」


「おおう!?」


「そう固くなんなよ。田舎で陰陽師が暴れた事件あったろ?俺たちあれに巻き込まれてさ」


「え!あの事件!?そんな事情が…大変だったんだね…」



「ああ、んで今朝のあの女、倉橋なんだって?明が速攻で見抜いてたけど、そういやなんでわかったんだ?」


「塾長のことは家柄から全て昨日のうちに調べ尽くした、ありとあらゆる手を使ってな」


「怖えよ!てか、何やったんだ!」


「うん、彼女は倉橋家の令嬢なんだ。ちなみに現陰陽庁長官は彼女のお父さんなんだ」


「倉橋って超名門じゃん!」


「うん、ただ歴史的な格は二人の家の方が上なんだ。それで彼女は夏目くんをライバル視してるのかも。二人は飛び抜けて優秀だし、護法式を持ってるのもあの二人だけじゃないかな」



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