いち

□ずるいヒト
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「なまえ」

あなたに名前を呼ばれただけなのに、高鳴る鼓動。

「おい?大丈夫か?」

潤さんが私の顔の前で、手を降る。
はっ、やだ、私ってば、ボーッとしてたよ・・・。

「・・・大丈夫っ、大丈夫・・・。」
「本当に?ボーッとしてるなよ。」

私の頭を軽く叩いて、台本を読み始める。

潤さんが手に持ってるのは、黒執事の台本だった。

「うわぁ、黒執事の台本じゃない。しかも、OVAの。みたい、みたい。」
「ダメDEATH 、放送日までお預けよ。」
「・・・はぁい。」

もう、グレルの声で言うなんて、ずるいよ・・・。

机の上をちらっとみると、伝説の勇者の伝説の台本が置いてあった。

「じゃ、こっちにする。」
「ダメだって、ほら、邪魔するならあっちにいく!」

今度は、クールな先生みたいな声。
本当・・・潤さん、ずるい。

「・・・はぃ・・・けちなんだから・・・。」

潤さんから離れ、久しぶりに、ホリックをみる。

四月一日くんの時の潤さんもいいな。
可愛くて面白いし。
潤さんの声、本当、最高だな。

面白くって、ホリックに集中してると、後ろから抱きしめられる。

「潤さん?」
「・・・ん。」

いじけてる声。
先に、私を放置したの潤さんなのに、いじけてるなんて可愛いな。

「潤さん・・・っぅ。」

振り向いたと、同時に、深くて甘いkissが落ちる。

深くて、濃厚なkissに、甘すぎてとろけそうになる。

離される唇。
もっとしてほしいな、なんて、思ってしまう。

「ごちそうさま、物欲しそうにみちゃって・・・なまえって・・・「なっ・・・違いますっ・・・。もう、そんな声出さないでくださいよ・・・。」」

「そんな声って、こんな声?」

知ってて、わざと、私の耳元で囁く潤さん。
本当、意地悪なんだから。

「顔、真っ赤。なに?いやらしいこと考えてた?」
「・・・なっ・・・、潤さんのばかぁ・・・違いますっ・・・。」

動揺してる私の腕を引き、自分の胸に抱き寄せる潤さん。

「・・・今から、甘い時間過ごそうか。」

潤さんの、今日一番の甘い声で囁かれる。
私が、その声に弱いの知ってて、わざと出すなんて・・・。
あなたって、本当、ずるい人だよ・・・。
でも、そんなあなたが大好きだよ。

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