いち

□いじめっ子
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「なまえちゃん。」
「・・・潤さん・・・耳元でその声は、やめて下さい。」
「ん?顔、真っ赤。」
「いひゃい・・・。」

私の頬っぺたを嬉しそうに、軽くつまむ、潤さん。
本当、いじめっ子なんだから。

やっと離してくれた、潤さんを軽く睨む。

「ごめん、ごめんって。」

軽く謝ってくる潤さん。
絶対、悪いなんて思ってないよ。

「潤さんなんか知らないんだから・・・。」

そっぽむいた私を後ろから抱きしめる潤さん。

「なまえちゃん、機嫌なおして・・・。」

可愛い声。
しかも、そんな悲しい声出すなんて、ずるいよ・・・。
許したくなるじゃない。

「もう、いいよ・・・。」
「・・・なまえ」

私の首に顔を埋めてくる潤さん。
潤さんの唇が、私の首筋に吸い付く。

「・・・潤さんっ・・・ぅ?」
「・・・よし、綺麗についた。」

甘い声で耳元で囁いて、私から離れ、ソファーに座り、台本を読み始める潤さん。


潤さんが離れた後、腰が抜けて座り込む。
そんな私を、台本を読みながら、ちらっとみてくる潤さん。

ひどい・・・絶対、今、いじめっ子の顔してる。
もう、潤さんのばかぁ。
私のばかぁ。

もう、潤さんの甘い声なんかに負けないんだから。
って、たぶん無理なんだけどね・・・。


台本を読んでる潤さんの頭を軽く叩いて、夜ごはんを作る為に、キッチンへ向かった。

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