追 憶
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「今日もいいお天気だな〜。」
仰ぎ見た空は雲ひとつない青空。
こんな日は掃除も洗濯も捗るんだよね。
「茜ちゃん。洗濯終わったの?」
不意に聞こえた声に振り向くと
いつの間にか沖田さんが縁側に座っている
。
「はい‼︎終わりました‼︎」
「お疲れ様。」
そう言って笑う沖田さんの目は
前みたいに冷たくない。
私が斎藤さんに
稽古をつけてもらってることを知ってからは
嫌味もあんまり言わなくなった。
何だかんだいい人だと思う。
うん。
「総司‼︎」
「あ…はじめ君。」
急ぎ足でこちらに歩いてくる斎藤さんに
沖田さんがひらひらと手を振る。
「お前は行かないのか?」
「行かないよ。僕あーゆーの苦手だし。
茜ちゃんと壬生寺でも行くよ。」
「…え…私?」
沖田さんと出かけるなんて初めてだ…
ちょっと…いや…かなり不安…。
そんな私をよそに2人の会話は勝手にすすむ。
「…そうだな。茜のことは頼んだぞ。」
「うん。じゃあ、茜ちゃん行こっか。」
そんなこんなで
私は沖田さんに強引に手を引かれ
屯所を後にしたのだった…。
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