追 憶
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あの日からどれくらいの時が過ぎたのか…。
私は優しい平助兄ちゃんたちに守られて
ぬくぬく生活している。
ただ1人…沖田さんだけが…
「剣術が出来ないなんて
君って本当に役立たずだね♡」
なんて…
顔を合わせる度に
♡つきの嫌味を凍えるほど冷たい目で
言ってくるけど…
そんなことで落ちこむ私じゃないんです‼︎
剣術は出来なくても料理なら得意だ‼︎
というわけで
今日も朝から源さんと台所に立っている。
「でーきた‼︎」
「うん。今朝も美味しそうに出来たね。」
「はい♡」
「茜くんが来てから隊士たちみんなが
食事の時間を楽しみにしてるんだよ。」
「え…本当ですか?」
テキパキと片付けをしながら
源さんが優しく微笑む。
そっか…嬉しいな…。
私も少しは役に立ててるのかな…。
おばあちゃん…
和食ばっかりヤダ‼︎って文句言ってごめんね…。
あの時はまさか
幕末にタイムスリップするなんて
思ってなかったからさ…。
え…?
まさか…おばあちゃん…
予言してたとか…?
「まさかねー。」
「何がまさかなの?」
聞き慣れた声に振り向くと
台所の入り口に寄りかかっている
沖田さんと目があった。
出たな沖田総司‼︎
「…べつに?」
こんな時はエリカ様で応戦よ‼︎
「…あっそ。
出来たならさっさと運んでよね。
本当に役立たずだね♡」
「あはは…今すぐ。」
…む…ムカつく‼︎
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