追 憶
□3
1ページ/4ページ
「茜…似合うじゃん‼︎」
「え〜…本当…?」
「マジだって‼︎
せっかくだから同じ髪型にしようぜ‼︎」
平助くんが私の後ろに周り
器用に髪を結ってくれる。
「でーきた‼︎ほらほら…。」
平助くんに背を押されて姿見の前に立つ。
「…わぁ…。」
土方さんの命令で平助くんに
着物をかりることになったときは
かなり嫌々だったけど…。
なんか…いいかも‼︎
めっちゃおしゃれ‼︎
「なんか俺たち双子みたいだな‼︎」
「本当だね‼︎平助兄ちゃん‼︎」
「な…‼︎その呼び方はやめろよ‼︎」
平助くんの頬がうっすらと赤く染まる。
…可愛い…♡
「ねぇねぇ…お兄ちゃん♡」
「やめろってー‼︎」
「へー…君が茜ちゃん?」
「あ…総司‼︎」
その声に顔を向けると
冷たく光る鶯色の瞳と目があった。
「…‼︎」
…そこのお兄さん…
…目が…笑ってませんよ?
私は思わず平助くんの後ろに隠れる。
「…ふっ。
そんなに怖がらないでよ。
僕は沖田総司。よろしくね?」
「あ…よろしくお願いします。」
慌てて頭を下げた私の耳元に
沖田さんがそっと囁く。
「どうやって土方さんに取り入ったか
知らないけど…。
変な真似したら…殺すよ?」
「…え…?」
驚いて顔を上げると
沖田さんが意味あり気に微笑んだ。
「さ。朝ご飯にしよう?」
…なにこの人…。
めちゃくちゃ怖い…‼︎
•