花と水
□プロローグ
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「今日も暇ですね。」
古本屋を営む老人は
何時ものごとく
レジカウンター内の椅子に座り
薄暗い店内を見渡しながら
誰にともなく呟いた。
そして
思い立ったように腰を上げると
店内の1番奥にある
古びた書棚にむかう
端から順になぞっていた指を止めると
一冊の本を取り出し
愛おしそうに表紙を開く。
「導かれし者…。」
そう呟くと
老人はぱたりと本を閉じ
また、元の場所に戻す。
「早く続きが読みたいものですね。」
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