涙 雨

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沖田さんの着物から滴り落ちる水滴が
畳に染みをつける。


冷え切った体が微かに震えている。


早く着替えないと風邪ひいちゃう…。


「沖田さん。早く着替えないと…。」

「…じゃあ、脱がせて。」

「…え?」


不意に近づいた沖田さんの息が
私の耳元をくすぐる。


「花ちゃんが温めてよ…。」

「…ん…。」


首筋に触れた唇の冷たさに
思わず声が出る。


「あんまり声出すと屯所のみんなに
聞かれちゃうよ?」


そう言って意地悪く笑った沖田さんの唇が
私の唇を塞ぐ。


激しさを増す雨音と着物の擦れる音が
部屋に響いている。


「…ん…ぁ。」


何度も絡めとられる舌に快楽が広がる。


「あんまり煽んないでよ…。」


抜き取られた帯と
肌を掠めるひやりとした空気に
思わず身じろぐ。


私の体を撫でる沖田さんの掌から
熱い程の熱が伝わる。


「声…我慢できるよね?」


そう言うと
沖田さんがゆっくりと体を進める。


「…ん…ぁ。」


思わず口の前にあてた掌に
沖田さんが小さく口づける。


「…いい子だね。」




深い深い口づけに酔いしれる…。



沖田さんからの甘すぎる快楽に
思わずこぼれる吐息…。



私を見下ろす鶯色の瞳…。



私はもう…あなたの虜…。





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