真選組血風帖-鎌鼬記-

□悪名高き正義篇
1ページ/4ページ

とある日の夕食後だった。
「なあ瑛莉」
沖田が風谷の方を向いた「ちょいと訊きてえことがあるんだが、いいか?」
「えぇ。何ですかィ? そーご」
風谷も沖田に向き合う。
「この前使ってたあの風の刃――『かまいたち』だっけか? アレ、いつ何処でどうして使えるようになったんでィ」
「あー、ヘイ。いいですぜ。説明する位ェお安い御用でさァ」
と、話し出そうとしたところに、
「何だ何だ2人して。俺にも教えてくれよ、風谷!」
「確かに気になるな。まさかあんな特殊な能力を使える人間が真選組に来るとは、夢にも思わなかったぜ」
「あ、かまいたちですか? アレすごいですよね!! 俺も使えるようになりたいです、風谷副隊長!」
近藤と土方、そして山崎がやってきた。
「近藤さん、土方さん、山崎も! 分かりやした。特に隠すようなことでもねえんで、お話しまさァ。あと山崎」
「はい、なんですか?」
「かまいたちにコツとか修行とかはかんけーねえんです。残念でしたね」
「そ、そんな! あ、でも、風谷副隊長の昔の話聞くの初めてです、俺。なんであんなことしてたのかも気になります」
「俺もだ」
土方がタバコに火をつけた。眉間に皺が寄っている。
「確か、テメェの昔の異名は…………」
そこまで言って土方は更に顔をしかめた。
「ま、かなり物騒でしたね。でもあながち間違っちゃいやせんぜ?」
苦笑して風谷は話し出した「アレは今から、1年半位ェ前のことでした」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ