*長編*
□腹黒いやつ(1)
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「あっ!涼介!」
「涼介、一緒に帰ろっ!」
「ねぇ、僕涼介の好きなゲーム買ったんだ!うちに来ない?」
知念、
お前は俺の彼女か?
そんでもって俺はお前の彼氏なのか?
チワワのようなウルウルした目で俺を見つめて
子供のように甘えてひざの上に座る。
君、確か俺と同じ高校生だよねww?
知念だから許されてるけど…
だけどどう考えたって
山「おっかしーだろーがぁあ!!」
知「ぇ?な、なに涼介急に。」
山「あ…」
忘れてた。
知念の家でゲームしてたんだっけ。
【腹黒いやつ】
山「じゃ、お邪魔しました〜」
知「涼介また来てね!」
山「はいよ〜」
知「も〜!今適当だったでしょ?
絶対絶対また来てね!約束だよ?」
山「はいはい約束ね!ってお前はガキか!!ww
じゃーな。」
そう言ってガチャリと扉を閉める。
(つっかれたぁ〜;)
最近の知念はいつにも増して甘えてきてる、確実に。
次なる嫌がらせなのか…?
おかげでこないだ相談した大ちゃんにも
『気のせいだよ、山田!
お前ら仲良いじゃんっ♪』
とか言われちゃうし…。
仲良くなんてねーよ!
あの悪魔は
俺の好きなゲームをもっていて
俺の好きな妖怪大図鑑をもっていて
俺の好きな苺をストックしてくれる、
だけなんだよ!
おい、待て!
…って仲良しじゃねーかっ!!
いや、ちげーよ!!仲良くねーし。
アイツがこんな良くしてくれるのには
絶対裏があるはずなんだ。
山「はぁ…ツイてねーな…」
トボトボ歩いてふと前を向けば、
俺の今一番気になっている"ゆきなちゃん"が立っている。
向こうも気付いてくれたみたいだ。