Long(能力パロ)
□〜Spring〜 Episode1
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その人は、春の香りを纏いながら、僕の...≪僕たち≫の凍りついた世界にやってきた。
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■Episode1
The Ice :首都ペテル(氷の神殿にて)----------------------------------------
ひんやりとした部屋で、静かに椅子に腰掛ける青年がいる。
少し口角が上がっている為、一見すると、穏やかな笑顔を浮かべているようにも見えるが、それは彼が王家として生まれ、
その身分を十分に理解しながら、長く生きてきたその為のせいかもしれない。
実際の表情は硬く、今にも溜息をつきそうな程沈んでいる。
チェン:「...兄さん。」
その問いかけに答える人はなく、青年、チェンの目線の先には氷のベットに眠るシウミンがいた。
チェンは、静かに立ち上がり、シウミンの頬を優しく撫でながら、小さく震える声で「...ごめん」とつぶやいた後、
ゆっくりとその部屋を後にした。
The Moon :首都ルーク(とある港にて)----------------------------------------
透き通るような美しい海に足を浸しながら、その海よりも美しい2人の青年が、昼食のサンドイッチを食べながら、
何やら楽しそうに会話をしている。
ルーハン:「なぁ、レイ。」
レイ:「ん〜?」
ルーハン:「"ペテル"の氷の神殿って、見に行った事ある?」
レイ:「5歳の時に一度だけお父様と一緒に行った事があるけど〜。
ん〜。それ以外には、行った事がないかな〜?」
ルーハン:「行った事あんの?どんなだった?綺麗だった??」
レイ:「ん〜。僕も小さかったからね〜、神殿の事はあんまり覚えて無いな〜。ごめんね〜?」
ルーハン:「なんだよ〜。」
レイ:「こふぉりのしんでんがふぉーかしたの〜?(もぐもぐ)」
ルーハン:「ちょっ!汚ねぇ!サンドイッチ食べながら話すんじゃねぇって!」
レイ:「(ごくん)ゴメンゴメン〜。氷の神殿がどうかしたの〜?」
ルーハン:「いや、氷の神殿も、人生の内に一回は見ときたいってのはあるんだけどさ...
来月の新年の挨拶に、Iceの国王が出て来るって噂じゃん?
あそこの王って、確か俺らと同じ年位なんだろ??
あんな大国納めてる奴がどんな奴か、見てみ「(レイ)行く?」...途中で喋るな。」
ルーハン:「いや、行けんの?」
レイ:「多分いけるよ〜。あそこの国王が出てくるのは珍しいからね〜、いろんな国から使者が来るんじゃない?
紛れ込んじゃえばいけるよ〜。うん。いける!
それに...僕も氷の神殿で、確かめたい事があるんだよね〜。」
ルーハン:「なんか俺も行けそうな気がしてきた。笑。
んで、確かめたい事って何? 一応、レイだって一国の継承権持った人間なんだからさ、やばい事はするなよ〜!?笑」
レイ:「ん〜。ヤバイと言ったら、ヤバイのかな〜? 戦争になっちゃったらどぉ〜しよ〜。」
ルーハン:「えっ!そんなやばい事考えてんの!? やめとけよ!! まぁ、レイの事だから、止めてもやるだろうから...
とりあえず....俺がいない時にやれよ!?」
レイ:「さすがルゥルゥ!分かってる〜♪」
ルーハン:「ルゥルゥって呼ぶな!!!」
レイ:「じゃぁ、とりえずお父様に行く事を相談してくるから、ルゥルゥは出発の準備でもしておいて〜。」
ルーハン:「だから!ルゥルゥって呼ぶな!!!じゃぁ、俺はうちの高速船が丁度良い時期に出てないか調べてくるわっ!」
レイ:「よろしくね〜!」
ルーハン:「頼んだぞ〜!」
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そうして、2人は来月に行われる、[The Ice]最大のイベント"White World"に、無事に参加出来る事となったようです。
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