Melody.
□出逢い。
2ページ/4ページ
汽車が発車し、三人はお喋りに花を咲かせていた。
「え?じゃあ二人はもともと知り合いだったわけじゃないの?」
「そうだよ。僕は汽車に乗るなり兄貴達とはぐれちゃってさ。その時に出会ったんだ。」
「そうだったの…。あんまりにも仲が良さそうだから、小さいころから知り合いだったのかと思ってたわ。ロン。あなた兄弟がいるのね?いいなぁ…」
「あんなにたくさんいても良いことないよ。」
「えー、僕はロンが羨ましいなぁ。僕も兄弟いないんだ。」
「…兄弟は居ないけど、お兄様みたいな人はいるわ。」
「…みたいな、ってどういうこと?」
「ずっと一緒に音楽やっててね…笛を吹いてる人で、奏っていうの。三つ年上。この前のコンサートも一緒に演奏したわ。」
「あ、聞いたことある。ママと妹が言ってたよ。」
「僕の母さんも」
「なんせ、君の大ファンだからね。」
「…ありがとう」
嬉しくて、雅はにっこりと笑った。
男子二人が思わず頬を染めていると、突然コンパートメントの戸が開いた。
「ロニー!こんなところにいたのか!」
「探したんだぞ!おい、見てみろよ、休暇中にリーが考えてきた悪戯…」
燃えるような赤毛をした、二人のそっくりな男の子。
そのうちの一人は、視線に雅を捉えると言葉を不自然に切ってしまった。
そしてそのまま、口をあんぐりと開けて雅を見つめた。
だって、ロンを探して汽車をうろついている時も、この少女を探していたのだから。
…まさか自分の弟と一緒にいるだなんて…。
「…お、ロニー、友達ができたんだな。俺は、フレッド、こいつは…おい、何固まってるんだ?ジョージだ。」
「ハリー・ポッターです。よろしく!」
ハリーは親しみやすそうなこのロンの兄たちをすぐに気に入ったようだ。
「初めまして。雅・四宮といいます。」
そして雅はぺこりと頭を下げた。
「…ん?あれ?よく見たら、ジニーたちが言ってた子じゃないか。なんだ、ロン。もう知り合ったのか。」
「うん。偶然、ここに乗り合わせたんだ。」