Melody.
□魔法薬学
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次の朝、ジョージはまだ興奮がおさまらなかった。
昨日の雅の清らかな演奏。
そのあと淹れてもらったマッチャという飲み物。
それに添えられたワガシと呼ばれる日本のお菓子。
畳の香り。
すべてが雅に繋がるもので、ジョージは和室をすっかり気に入っていた。
必要の部屋で練習をしている事は内緒にしていてほしいと言われたのでフレッドにすら、昨日どこにいたのか言っていない。
何より雅と秘密を共有しているという事に気持ちが浮ついていた。
朝の支度を終え、朝食の席に向かう。
まず目に入ったのは何やら本を読んでいる雅だ。
「おはよ、雅」
「あ、おはよう、ジョージ。」
少し緊張気味に挨拶をする弟をフレッドは隣で面白そうな顔で見ていた。
「なに読んでんだ?」
ジョージは雅の隣に腰を下ろした。
勿論、心臓はバクバクいっている。
そして周りの男からの鋭い視線。
ジョージは全く気付いていないが、近くにいる
フレッドは気づいていた。
これは面白いことになる。
フレッドはニヤニヤが止まらなかった。
「魔法薬学の教科書なの。今日授業あるし、ジョージたちも先生が怖いって言ってたから予習しておこうと思って…」
「偉いな。俺は予習なんてしたことないぜ。」
「まぁ本当に??信じられないわ。」
「ハーマイオニー・・・;;;」
「最初の授業だろ?どうせスネイプはグリフィンドール生をいじめるさ。」
「グリフィンドールがお嫌いなんて残念ね…」
「雅、今日も頑張ってな。」
「ありがとう、ジョージ」
一通り話をして、ジョージも朝食に手を付ける。
ジョージの頭には、スネイプが万が一にも雅をいじめるようなことがあったらスネイプをどうしてやろうか、ということしかなかった。