補充2

□恋をして変わって
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女は可愛い、美しい、妖艶だ
太っていたとしても魅力はあるし細くてガリガリな子でも可愛いと思う
じゃあどんなのでもいいのかと言われると首を横に振るだろう
で、結局何を言いたいのかと言うと…

女性は世界の遺産だって事だ

俺は女の人が大好きだ
可愛らしく振舞う姿も怒りに身を任せて泣いたり喚いたりする姿も狂おしいほどに大好きだ
人生生きてて思う事は女の人が世界にいてよかったと一日一回は思っている
ナンパなら何回もしたし、お茶した事も遊んだ事もいっぱいある
大体の子とはお遊びではあるが時折本気な子もいたりする
恋愛に発展する前にこちら側から姿を消したりするが…時たましつこい子もいる
付き合った事はない
そもそも俺は女の人が好きなだけで恋愛は関係ない
告白されても女の人を傷つけないように言葉を選んで丁重にお断りをした
女の人の泣き顔は一番苦手だ
可愛い人も美しい人もどんな子でもその顔が涙で汚れてしまえば俺は凄く心が痛い
泣かせてしまえば此方の罪悪感は凄まじいもので一時は女の人をナンパする気にもなれなくなってしまう
鬼神であり閻魔天である自分は生きてる間はほとんどを女の人と過ごしたいと思っている

そんな閻魔天_ヤマを変える出来事があった

城下町から少し離れたところに小屋を立てている場所に一人の女の人がいた
質素でよく気が利く子
そして誰にでも優しく愛されている子だった
そんな子にヤマは一目惚れしてしまったのだ
城下町の子には地味だとか言われていたりするがヤマはそんな事はないと否定した
心が綺麗だと、その存在自体も綺麗だと
ヤマは思ったのだ
薪を集めて小屋の横に置いているその子はよく笑う子だった
太陽のように暖かい笑みを浮かべ接する
そんな笑顔を近くで見たいとさえ思った
だから近づいたのだが

酷く怖がられてしまったのだ

ヤマの姿を見ただけで顔を青ざめ恐怖で体が硬直する
ハッと気づけばヤマから距離をとり小屋の近くで震える
瞳に涙を滲ませまるで化け物を見るかのようにヤマを見たのだ
そのような反応をされた事自体が初めてだったヤマは酷く困惑した
どうすれば怖がられなくあの太陽のような笑みを浮かべてくれるのだろうか
どうすれば近づけられるのだろうか
ヤマは悩んだ

「…私の前から…消えてください…っ…」

涙声で言われ
その子は逃げるように小屋の中に消えてしまった
呆然と立ち尽くすヤマは初めて涙を零した
これが普段相手しているような子達ならば涙を流すことも
心が痛む事などもなかったかもしれないだろう
だが言われたのは一目惚れしている子で
好きだと一方的に片想いしている相手で…
そんな子に消えてくださいなど言われればいくら鬼神であるヤマでも悲しいと思えたのだ
零れ落ちる涙をふき取り踵を返し小屋から離れる
自身の姿が憎いと思えた
何故あの子一人だけに怖がれる姿なのだろうかと…
拳を強く握り締める
肩や足に罅が入る
少し力を入れただけで鬼神の力が洩れだす
あぁこの姿のせいで…

『…ならこんな姿など…捨ててやる』

その子の為だけに今の姿を変える
姿を変えて他の女の人に嫌われようが無視をされようが関係ない
あの子の笑顔が見れれば…それでいいのだ

鬼神や閻魔天の力を抑える為に誰も寄り付かぬ場所に一人篭る
何度も抑え付け
何度も失敗して
何度も苦痛に体に罅が入る
強大な力を抑えつけるというのは簡単なものでなくそれなりに時間が必要だった
気づけば数十年はたっている事にさえもヤマは気づかずにいたのだ
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