補充2

□悪戯してもいいですか?
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白銀は輝いている
だけどその本人は輝いてないというのだ
そんな事ないのに
何でそんなに否定するのか分からない
ねぇ気づいてよ
自分自身が輝いていてどれだけ魅力的なのか

「ねートラヂェディ」

『んぁ?何だよ』

「好きだよ」

キョトンとするトラヂェディの顔を見て少しだけ吹き出してしまう
そうすると目を細めはぁと息を吐いているトラヂェディ
そうこれは何度目かの告白
今では日常的になってしまって対して効力はないが
最初はトラヂェディの何ともいえぬ顔が見れた
はぁ?と声を荒げて面倒臭そうにため息を吐いていた
今では流される事も多いが大抵はため息をはかれる
冗談だと受け止められているこの告白は実は本気だったりする

『お前毎回飽きないよな』

「んー?だってねぇ?」

好きなのは本当だし
ただ伝わってないだけ
トラヂェディは鈍感だ
凄く疎い
この一言で恋愛的感情か冗談なのかなんてまるっきり分かってなどくれやしない
それが愛おしいと感じればどこか切ないと思える
友達としてトラヂェディはクルーエルを見ている為恋愛的感情など無に等しいのだ
だから接触もすれば抱きしめるのだって普通に感じるのだ
できればもう少し危機感をもってほしい
これじゃあ何時此方が理性が切れても可笑しくない

「好きなのには変わりなんだよトラヂェディ」

『…面倒くせぇな…』

「おいおい」

面倒臭いというトラヂェディは相変わらずでまったくぶれない
ぶれるどころか凄く強情というか…
全然まったく…うん
見向きもしてくれないところをみると本当に面倒臭いのだろう
あぁまったく
何て人だろうか
それでも好きになってしまった自分自身は甘いのだ

「トラヂェディ」

片手を掴み引き寄せる
バランスを崩した体を優しく支えクスリと笑う
キョトンとした顔を見て
可愛いなと思う

「大好きだよ」

額に口付けをすればトラヂェディは目を見開く
それでも逃げないって事は友達としての行為だと思われたのだろうか?
まったく何とも厄介な難攻不落の城なのだろうか
どれだけ時間をかけたってそれが全部無駄なんじゃないかと思えるくらいである
ねぇでもねトラヂェディ?

「だから落ちてよ」

大好きな君は何時落ちてくれるのかな?
トラヂェディが生きている間じゃないと意味がない
手の甲に口付けをする
腰に手をそえ、逃がさない

『お、おい…クルーエル?』

まったくもって呑気なものである
どれだけこちらは愛してると思っているのだろうか
少しは伝わってもいいじゃないか
ずるいよまったくさ

「トラヂェディ、悪戯さーせて」

頬に口付けを落としニコリと笑う
意図を理解していないトラヂェディは首をかしげている
お願いだから危機感を持とう
人の気も知らないで
手を重ねる
じゃあ今度は何処に口付けしようか?

「いただきまーす」

とりあえず
逃げないように抑えておこう



END

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