補充2

□悪神の心
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悪しき心を選んだときから
寿命という枷がついていた
力に制限というのはつかなかった代わりに永遠の命というのを失ってしまった
そして

孤独というものを与えられた

天界でも
何処でも
妬まれ疎まれ憎まれ
嫌いだと化け物だと
色々な言葉で罵られ続けた
愛など誰も与えなかった
与えてくれなどしなかった
だから愛というのは何なのか
愛し方や愛され方
無知にも等しいほどだった

天界で何度も暴れた
許さないと何度も思った
悲しくて悔しくて

誰かに愛してもらいたかった

だから邪魔してやった
奪ってやった
幸せそうにしている奴等の仲を邪魔したり
時には酷い仕打ちだってした
それでも胸の中にある悲しい気持ちも悔しい気持ちはなくなってはくれない
むしろその気持ちはどんどん膨れ上がり
どうして自分は悪神なのかと何度も呪った
悪神であるから
愛されないのだと
何度も
何度も
何度も!!!
言われ続けた!

何時しか悪神であるアエーシュマは泣くことが分からなくなり
自分を失いかけた

どうせ誰も必要としないのだと
何処かでは分かっていたとしても邪魔したり奪ったりする事でしかこの悲しみは埋まってくれないのだ

あぁ心などいらない

ほしくない

愛してもらえず
拒まれ
阻まれ

人々は口々にいう
お前のような奴が愛される資格も生きる資格もないのだと

『五月蝿い』

耳を塞いでも聞こえてくる
言霊で操っても聞こえる
あぁやめてと叫びたい
しかしその言葉さえも出てきてくれはしない
本来悪神などこの世に存在していいはずはないのだ
だからその存在自体も
この世に生きる資格がないのだ

『やめて』

声が掠れる
両手で目を覆う
現実など辛い
否定ばかりの現実など見たくもない
聞きたくもなく味方がいない世界で自分は一人ぼっちで
それがどうしようもなく重くのしかかってきて

『……やめて…』

辛い
怖い
誰か

助けて

愛して

否定しないで

俺は






死にたい






END

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