人外
□背徳
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「うわ、電車止まってる……」
先程までは軽い雪だったのに今じゃ豪雪だ
市民バスは完全に停止している
薄着で来たため寒いというか感覚がなくなってきた
すると後ろから聞き慣れた声が聞こえる
「…ダリア?」
「セーフティ…」
振り向くとセーフティは傘を差して完全防備だった
「…お前、身体冷たくなってるじゃねーかこれとこれ着とけ」
「でも、セーフティが……」
「俺は暑がりだからいいんだよ」
セーフティは俺の首にマフラーを巻き、コートを一枚羽織らせては俺に背を向けぶっきらぼうに返事をする
でも良かった、セーフティに会えて
セーフティの家に行ったら電話を借りて、お風呂を貸してもらおう
「セーフティ、ありがとう」
「……き、気にすんなよ」
彼は恥ずかしそうに目線を逸らしていた
可愛いところもあるじゃないか