人外
□お花畑
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可哀想な子だ。
勝手な親の離婚に巻き込まれて0歳で施設だなんて
家に着くとダリアは目を輝かせていた
職業柄確かに家はデカイが豪邸という訳でもない
だが5年間狭い施設に居たからだろう
ダリアは本が大好きらしい
試しに書庫を見せてやろう、きっと喜ぶ
これから待ち受ける本の山とダリアの喜ぶ顔が目に浮かぶ
すると急にダリアは歩を止める
ゆっくりとダリアを見てやればおずおずと何かを喋ろうとしていた
「……ありがとう、ぱぱ」
その時私は無意識にダリアの頬を全力で叩いていた
幼い身体は簡単に吹っ飛ぶ
その後は良く覚えてないが目の前には血だらけのダリアが居た
「……ダリア」
「…っ、ぁ」
恐怖からガタガタと体を震わせ私を見る目は感謝から恐怖の目に変わっていた
私は急いで治療を始める
包帯を巻きながら私はダリアに話しかけた
「ダリア、痛かっただろう?本当にすまない……でもね、私の事はこれから二度と父と呼んではいけないよ?私の事は先生かDr.と呼びなさい」
「はい、…先生」
彼は小さな身体を恐怖で震わせている
嫌われまいと必死なのか歯を食いしばって痛みに耐えている
本当は痛みで涙を流して抱きしめて甘えたいのだろう
私は幼いダリアを優しく抱きとめ
書庫へと案内した