人外
□投影自殺
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私の家は裕福で何不自由無く生まれた
父は医者
母は医学教授
私はその医者家系の長男として誕生した
父は子煩悩で母は優しく
愛情いっぱいに育てられたのだ
母は不妊症と診断されていたがやっとの事で生まれた私を大層大事にした
父も同じだ
だが私が5歳になった頃
母の腹が目立った
新しい命が出来たのだそうで
不妊症の診断は誤診だったのではとも思えた
母と父は喜び
女の子だと良いなとか男の子でも元気に育ってくれれば嬉しいわなどとその腹に居る新たな命に夢中だったのだ
私は酷い孤独を覚えた