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□ぬくもり
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私は体育館にいる。
そこには大好きな彼の姿。






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「莉乃ー!」




練習を終えた木吉くんがこちらへ向かって走ってくる。




「すまん。待たせな」




そう言って私の頭をくしゃりと撫でる。




『ううん!全然だよ!』




笑顔で返すけど、どきどきと心臓がうるさい。
もう付き合いだして半年になるっていうのに、これだけで息が上がっちゃう…。




『それじゃ、帰ろっ!』
「うん、そうだな…。」




そして私達は歩きなれた帰り道を、二人並んで歩く。
今は12月で、凍えちゃいそうなくらい寒い。




「本当寒いな…。凍えちゃいそうだ!」

『あははっ、凍えたらダメだよっ!』




私達はそんな会話をしながら、のんびり歩いていた。






ふと木吉くんを見上げる。
木吉くんは、私よりずっと大きくて、私なんかすぐにおおってしまえそう。
手も分厚くて、まさに男の人って感じがする。



…手、繋ぎたいな…


いや…ムリに決まってる!なに考えてるの私!
こんなこと恥ずかしくて言い出せないよ…!




そんなことを思いながら、自分の手を見る。
うわっ…、手真っ赤だ…。




『手袋してこれば良かった…。』




ボソッとつぶやいた。すると、木吉くんが




「手袋なんかなくても、あったかくなる方法があるぞ」




そう言って、私の手を握る。




『えっ…!?き、木吉くん!?』

「寒かったんだろ?耳まで真っ赤だぞ。手袋なんかより、ずっとあったかいだろ?」




耳まで赤いのは、木吉くんのせいだよ…!

にこにこと私へ笑顔を向けるけど、見る余裕なんかなくて…。
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