noble short

□sweet candy
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類さんと付き合いはじめてから
3ヶ月ー


私と類さんが付き合っていることも学園内ではほとんどの人間の知るところとなっていた


とくに公表したわけではないのだけど
…はぁ…






類「由香」

校門をくぐった、あたりで呼び止められる

振り返らなくても声の主はわかる

私のため息の原因


「あ…類さん」


類「…さん?」


「あっ…る、類」


類「うん、おはよう由香」


チュッー


人目も気にせずチュッっと唇にキス



『キャー!花沢様と由香さん、朝から本当に仲がよろしいのねー!』


「類!!―もうっ!」


黄色い歓声から逃げるようにスタスタ校舎に向かって歩いていく


類「ん?由香まってよ」










キーンコーン―


授業の終わりを知らせる鐘が鳴る

それとほぼ同時に扉が開いた



ガラッ―


類「由香♪」



『キャー!花沢様、本日も素敵だわぁ』


本日も…って言われるのも仕方ない

ランチタイムになるこの鐘が鳴ると毎日迎えに来る

いや…嬉しいんだけどね…


類「由香?いこっ」


私の手をとってさっさと教室を出でF4専用のラウンジへ向かった


西門「おう、由香。今日も連行されたか」


「ははぁ…そうみたいです」


類「連行ってひどいな…」


「でもいつもノートしまう時間もないよ?」


西門「類、あんまり束縛してると由香に嫌われるぞ?」


類「…由香、嫌いになる?」


「えっ…いや…そんなことはないけど…」


もう!そんな甘えた顔で見られたら何もいえないよ!


類「だって総二郎。由香、今日の由香のお弁当何?ちょと頂戴?」


「あっ…うん。えーっと今日はねー…」


西門「はいはい、ったく仲がよろしいことで」



道明寺「おう!おはよう!」


上機嫌な道明寺がラウンジへ上がってきた


西門「ああ、おはよう」


つくし「おはよう西門さん」


西門「おはよう牧野」



「あっ、つくし!おはよー!」

花沢類と二人で奥のテーブルにすわっていた由香
道明寺とともにラウンジにやってきたつくしに気づいて手を振りながら挨拶をする


牧野「あ、由香!っと花沢類。おはよー!」


類「んーおはよ」


牧野「由香達もこっちで一緒にたべよーよー」


由香「あっ、…う、うん―えっ…?!」


牧野の誘いに立ち上がりかけたが捕まれた腕にその動きを止められた


類「ダメ。」


「る、類?」


類「俺は由香と二人でランチしたいから行っちゃダメ」


「えっ…で…もっ―キャっ―」


捕まれた腕をぎゅっとひかれ皆と一緒食べようと言おうとした唇は類によって塞がれてしまった


「ち、ちょっと!類っ!!」


類「そーゆー事だから牧野ごめんね」


牧野「はああ…はいはい、ご馳走さまですこと」


道明寺「おい牧野!お、俺達も二人でランチしよーぜ!」


牧野「はぁ?!いいよここで。ってかもうお弁当広げちゃったし、いただきまーす。」


道明寺「おい!コラッ牧野!」


牧野「もーごちゃごちゃうるさいなぁ、道明寺もさっさと食べなよ」


西門「はぁ、ったく…どいつもこいつも…」


美作「まったくだな…」






そんな騒ぎを尻目類は先程の、キスで真っ赤になっている由香の頬をつんつんとつついていた


類「由香顔真っ赤だよ、可愛い」


「る、類がいきなりみんなの前でキスでするからでしょ…もう…恥ずかしいよ…」


類「仕方なじゃん、由香の事好きなんだから」



ね?なんて小首をかしげながら言われたら由香はそれ以上何も言えなくなってしまう


類「今日の由香のお弁当も美味しそう、いただきます。」


そういって私のお弁当箱から卵焼きをひょいっとつまんで口にいれた


類「ん、美味しい。あのさ由香」


「なに?」


類「明日から俺にもお弁当作ってくれない?」


「えっ?でも、こんなお弁当だよ?どこにでーもあるような…」


類「いいよ、由香が、作ってくれるならなんだって。だから作って?」


「うん、でも本当期待しないでね。美味しくなかったら無理して食べなくていいからね」


類「何言ってんの、明日から楽しみが増えたよ。ありがとう由香」



チュッ―




「んっ―も、もう!類っ!」




嬉しそうに微笑む類を見てると許してしまいそうになるけど…

やっぱり人前でキスされるのは恥ずかしいな…

でもきっとやめないし…止められない…



これからも私の幸せのため息のはなくなる事はなさそうだ…











end

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