She Wolf(長編)
□始まり
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私は知っている
悪魔のような存在を
私は忘れない
私は、私は・・・
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「本当に、それを望むのだな?」
ピクシス司令が、明け始めた空を見ながら2度目の確認を問う。
「はい。」
私は、1度目と同じ返事を返す。
「分かった、エルヴィンには私から話を通そう。」
振り向いた司令の目をまっすぐ見て
「よろしくお願いします。」
と頭を下げる。
壁上から見た外の世界は、闇から光に包まれ始め
脅威が存在する事を忘れる美しさがあった。
(今日から、あそこが私の世界になる。)
もう一度、司令に頭を下げると、人々が起き始める壁内へと急いだ。
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「フィオナ、この選択・・・今は亡きお前の家族は果たして臨んだかどうか。」
軽快に走り去るフィオナの後ろ姿を眺めながらピクシスは目を細めた。