進撃の巨人

□HELP!
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その日は壁外遠征だった

「エレン!大丈夫?」

「はっはい!!大丈夫です!」

「ワイヤー引っかかっても誰もとってやれねぇぞ?」

ペトラ グンタ そしてエレンが出発を前に雑談していた


エレンはリヴァイ班と共に行動することになっていた


「…オイ お前ら そろそろ出るぞ」

「リヴァイ兵長!はい!行きましょう」


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リヴァイ班はいつも通り行動できていた

「リヴァイ兵長!東の方向に巨人発見です!」

グンタがそう叫ぶとリヴァイは黙って頷き巨人の方へと向かった


「おいエルド!巨人は何体だ!」

「はい!……2体!2体です!」


「俺が行く」


リヴァイはそう言って大木へと飛んで行った


すごい

エレンはそう思った

自分は巨人を全て駆逐すると言っておきながら、ミカサやライナーに力が劣っていた

実際 今巨人を前にして怯えている自分がいる

だからこそ、エレンの目に映ったリヴァイは一層格好良いものだった


きっと一瞬であの巨人を倒してくれるんだろう

エレンは心の底から信じていた


カシュッ…パァァァン!!!

リヴァイが巨人のうなじへと飛んだ

「…ハァァっ!!!」


倒した


一瞬だった


「すげぇ……」

さすがだとしか言いようがない

「…はっ!リヴァイ兵長!!!」

リヴァイの背後に

もう一体 巨人がいた


「…くっ!!!兵長!!!」

エレンはすぐに立体起動装置を使ってリヴァイの元へと飛び込んだ


「エレン!!!」

リヴァイ班の声がした

「兵長!!!…くっ…!!!」

エレンは巨人に喰われそうだったリヴァイを押しのけた



_____そのあとのエレンの記憶はない








「………」

「エレン!!!!エレン!!」


目を開けるとペトラがいた

さっきまで壁外にいた筈なのに何故こんなところにいるのだろう

エレンはまだおぼつかない頭で考えはじめた

そのとき

「エレン!」

リヴァイが部屋に来た


ああそうだ 兵長を助けようとして…

バキッ

「…え……」

頬に痛みがじわり じわり と広がる


殴られた

それだけは解った

「.......何故俺を助けた」

「え…だってあのとき…」


そうだ あのとき俺が押しのけなければ 兵長は…

「俺は、逃げられた。でもお前はどうだ」

「…え…」

改めて自分の姿を見た


身体中 包帯で巻かれ、腕や脚を動かそうとすると痛みが走る


「エレン、兵長を助けようとしてそんな大怪我を…」

ペトラが目をそらし、呟いた


「俺はお前に助けられなくても平気だった。でもお前はそんな大怪我を負った」

「………はい」


エレンは助けたい人を助けて責められるなんて思わなかった

「…てめぇはてめぇのことだけ考えて戦え」



そう言い放ち、リヴァイは部屋を出た






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リヴァイとエレンの会話を目を閉じながらペトラは聞いていた


リヴァイが部屋を出たあと、エレンは言った

「…ペトラさん」

「うん」

「…助けることは、駄目なことなんですか」


ペトラは不安だった

これがきっかけで、エレンは自分のすること全てに自信を失ってしまうのではないかと

「…エレン、よく聞いてね」



「……」

エレンは黙ったままだった

「リヴァイ兵長はね、自分を助けたエレンを怒ってるんじゃないのよ

あなたに大怪我をさせた自分を責めているのよ」


「……は…」

エレンはわかっていないようだった

ペトラは知っていた

どれだけあの人が優しい人がということを


「…助けることは」

「そうよ。いいことなのよ」

ありがとうございます

そう零してエレンは泣き出した


ペトラはまた目を閉じた




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翌日の朝

リヴァイはエレンの部屋へ入った

大切な人に大怪我を負わせた自分の不甲斐なさとやるせない気持ちで昨日は心の整理ができずにいた


エレンは自分を恨んでいるのではないか

そう思った

「……エレン」

部屋に入るとエレンは眠っていた


「………」

リヴァイは黙って椅子に座った

「……エレン、…すまねぇ」

そう言ってエレンの手を握る

「…すまねぇ…」


「…ん…へいちょ…」

エレンが目を覚ました
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