進撃の巨人
□リヴァイ兵長、おはようございます
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「おい起きろエレン 朝だ」
リヴァイはそう言った。
さもそれがW当然のことWかの様に。
_____しかし
「…クソ」
エレンは目を覚まさない
_____2年前のことだった
その日は壁外調査で、エレンは張り切っていた
「兵長!俺、いっぱい巨人を倒しますから!」
それが最後のエレンの声と笑顔だった
「_____兵長大変です!エレン・イェーガーが!!!」
エレンが襲われた
そして、今に至る
エレンは死んではいない
W眠っているWのだ
もう、2年も
「…今日でちょうど2年経つらしいぞ。とっとと起きたらどうだ豚野郎」
リヴァイは窓の外を見つめながら、エレンに話しかける
「….........」
当然、エレンは声を発しない
リヴァイは続けた
「お前がずっと寝てるせいで104期の奴らも沈みっぱなしだ。いい加減起きてやれ …それにしても今日はいい天気だな。」
「そうだ、知ってるか?明後日はハンジの誕生日らしいぞ。エレン、お前が起きたら あいつ、喜ぶだろうな」
「…昨日はエルヴィンが来ただろう?俺は昨日来れなかったからな…まぁ、ずっと眠りこけてるお前のところに毎日来れるほど俺も暇じゃないがな」
リヴァイはいつもWこうWだった
起きない
話さない
目を開けない
そんなエレンに、リヴァイはずっと話しかけている
初めのうちは、皆彼を止めた
Wそんなことをしても エレンは目覚めないW
と。
でもやめなかった
_____1年前
「…おいエレン、今日は_____」
「リヴァイ兵長」
「…なんだアルミン」
アルミンは、辛そうにリヴァイを見つめ言った
「…エレンは、そんなことをしても起きない、です」
リヴァイは、すこしだけ目を見開き、眠りこけるエレンを見て言った
「こいつにWそのときWがきて、俺を忘れてたらいけねぇからな。そうならないようにしてるだけだ」
寂しそうに、言った
_____
___
_
そんなことをしても エレンは目覚めない
リヴァイはそれを知っていた
でも何もせずにはいられなかった
「…エレンよ…」
「頼むから……」
「_____起きてくれ…」
リヴァイは、泣いた
初めてだった 涙を流したのは
調査兵団に入ってから
仲間の死はたくさん見てきた
若い時はその度に泣いた
でも、兵団に入って3年ほど経てば、泣けなくなった
それは「慣れ」というモノに近いのかもしれなかった
余計な感情を抱けば、進めなくなる
そう言い聞かせてきた
でも
「____…うっ…っ……ッ」
溢れた涙は止まらなかった
仲間の死や別れは慣れた筈なのに。
声を発しないエレンに2年も話しかけ続けるのは虚しすぎて、辛すぎた
「……頼む…から…ッ…」
リヴァイはエレンの手を握った
「_____…」
「………兵長」
「リヴァイ、兵長」
「!!!」
Wリヴァイ兵長W
忘れもしない 2年ぶりの声
バッと顔を上げる
エレンが 目を覚ました
「…リヴァイ兵長、おはようございます。」
「………エレン、おはよう」
end