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□言葉
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私は、いつも不安を感じていた。
リヴァイはいつも大切なことを言ってくれない。
告白されれた時も、SEXしてる時も…いつも…リヴァイからの愛の言葉はない。
私の事を本当に愛してくれているのか?
リヴァイに聞けば簡単なことなのかもしれない…。
けれど…もしセフレなのだったら…。
聞くことで関係が終わってしまったら…。
例えリヴァイが私のことを好きじゃなくても、今のままでリヴァイが私のことを必要にしてくれるなら…このままでもいい……
ただ…リヴァイの側にいたい…。
彼の体温を感じ、彼に抱きしめられたい…。
それだけでいい……たとえ気持ちがなくとも…。
☆☆☆☆
22時を回ろうとしていた。
リヴァイに呼ばれ、自室の前まで来ていた。
ドアをノックしようとした時だった。
部屋の中からリヴァイの声と女性の声か聞こえた。
名無しさんの心の中は、黒く醜い嫉妬の感情でいっぱいだった。
側にいるだけで…
身体だけを求められるだけでも…
本当にそれだけでいいと思っていたの…
惚れた方の負けって言うけれど本当に…そうなのかもしれない。
一度知ってしまえば人間っていう生き物は貪欲で、リヴァイのすべてが欲しくなる。
それだけでいいなんて……思えなくなっていた。
このドアを開けて現実を知るのが怖い。
知らなかったことにすればこのままでいれるかもしれない。
そんな事を考えていた名無しさんは、その場から逃げ出そうとしたが、いつの間にかリヴァイに腕を掴まれていた。
「いつまでここにいるつもりだ。
さっさと中に入れ……」
リヴァイに引っ張られるように部屋の中に入るとそこにはもう女性の姿はなかった。
「…………」
「何故黙ってる?」
「……なんでもない」
いつもの名無しさんなら煩いぐらいに話しかけてきやがるのに静かすぎる。
「なんで泣きそうな顔をしている?」
「……リヴァイ……好き…好きなの」
名無しさんは泣きながら自分のありったけの気持ちを伝えた。
「知っている」
リヴァイはそっと名無しさんを抱きしめた。
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