妄 想 ノ 缶 詰





Arenの妄想が缶詰になりました。

この缶詰から小説たちが生まれます。



◆no title 


100えんをみつけたんです。

おれ、さがしてるひとがいたらっておもって、こうばんにいったんです。

「おかねが、おちてました」

「金額はいくらだ?」

「ひゃ、100えん」

「…そうか、お前は偉いな。どうしてここに来たんだ?」

「さがしてるひと、いるかもしれないって、おもった」

「いい子だ。それじゃあ、これはお前にくれてやる。いい子にはいい事があるからな?」

「ほんとう?じゃあおれ、いいこかなぁ?」

「あぁ。いい子だ。それじゃあ、気をつけて帰れよ」

「うん!」

そんなふうにして、おれは毎日、毎日交番へ通うようになった。


「リヴァイさん!」

「どうした?」

「今日、高校の先生がひどいんですよー…」

そうだ、もうこんなに経ったのか。
あなたと初めて出会ったのは、おれがまだ小学生の時でしたね。

なのに、あなたと恋人になったのは、つい、最近でしたね。

こうやって愚痴を聞いてもらったり、一緒に悩んだり、笑ったり…。

「それに、………」

「ん、どうした?」

やっぱり、今日くらい。
少しくらい甘えたって。

「っ、いえ!えと、それに友達が…」

「何かあったのか、エレンよ」

「え、?いや、えと、あの…」

「何でも言えって、言ってるだろ」

「あの、…すごく、切なくなって…いつまで一緒にいられるかな、とか、リヴァイさんと…もっと一緒にいたいな、とか…出掛けたりしたことないよなぁ、とか…」

「エレン…」

「べ、別に全然大丈夫なんですよ!そ、そりゃリヴァイさん忙しいですし、無理なのは解ってますけど!でも、その…少しくらい一緒に」

「エレン!」

「はっ、…あ、すいません…あの…おれ」

「……すまなかった」

「な、何でリヴァイさんが、」

「明日、温泉に行くぞ」

「あ、あした?!え、温泉って…でもお仕事は!それに予約もなくちゃ…お金はどうすれば…?!」

「落ち着け…温泉の予約はしてあった。俺とお前の二人分…な。離れの一等部屋だ。金は心配いらねぇ。あとはお前の予定だけだったんだが」

「い、行きます!行きたいです!支度、してきますね!」

バッグを持って交番を飛び出したエレンの背を見て、少しだけ嬉しくなったような気がした。

明日は、3月30日だな。
18歳になるんだよな?
俺も明日が楽しみだ。

…エレンはイイ子だ。

イイ子、な。



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何がしたかったんだ\(^O^)/

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2014/12/01(Mon) 22:12

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