S h o r t S t o r y


□その跡の理由
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ふいに気付いた。
首筋にある、不自然な赤い跡に。

「あー、つまんない…ねぇつまんないですねリヴァイさーん…」

家でゴロゴロと床に寝転ぶエレンを眺めるようにして、その首筋にある跡をじっと見つめていた。

俺はあんな分かりやすい所に付けたりしない。
まず、ここ1週間まともにエレンの肌を堪能していないのだ。

…俺の跡じゃねぇ。

床に寝転んだままの無防備すぎるエレンの上に覆い被さる。
使い古してゆるくなった部屋着の襟元をずらし、片方の肩を露にする。

「やっ、!ちょっとリヴァイさん…!いきなりどうし」

「…この跡、何」

「あ…跡…?」

「この首筋の跡は何だと聞いてるんだ」

「な…何のことですか…?」

「しらばっくれんじゃねぇよ」

誰に付けられたのか、いつされたのか。
エレンが誰かに組み敷かれている姿を想像するだけでイライラが込み上げてくる。

八つ当たりでもするかように、その白い肌に吸い付く。
痛い、と小さく声を上げ涙を流す姿に何とも言えない優越感が沸き上がった。

「なぁ…この跡、誰に付けられたんだよ…」

「ひゃっ、んぅ…そんなっ、知らないっ…て…ぁあっ!」

「しらを切るつもりか?仕方ねぇ…言いたくなるまでやってやるよ…エレン」

ゆるいスウェットと下着をずらし、はち切れんばかりに主張したソレに刺激を与えていく。
とめどなく流れ出てくる液を指に絡め、後ろに二本の指を突き立てた。

ぐちゅ、と卑猥な音と同時に高く上がる甘い声。
泣きじゃくりながら許しを乞う姿も中々見物だろうな…と薄く笑った。

「んぅ、はぁ、も…やらぁっ、…」

「ちゃんと言ったら止めてやる。…それとも止めて欲しくねぇのか?」

「ちがっ!…ほんとにっ、しら…なぁあっ、!!」

「随分と余裕じゃねぇか…まぁそれも今のうちだな」

熱くなった自身を取り出して、十分にほぐされた後ろに宛がう。
期待に濡れた瞳の焦点は合っておらず、発情して我を失った猫のようにも見えた。

ぐりぐりと腰を進めていく。
狭いながらもしっかりと飲み込んでいくエレンに触れるだけのキスをしてやれば、驚いたように二度まばたきをした。

「まだ言わねぇつもりか、?」

「ぃ…りばいさ…、しらな、いっ」

「はっ、言ってろ…つ!」

ガンっ、と一突きしてやれば更に大きく身体をうねらせる。
潤い始めた結合部は、もう簡単にピストンを始めることができた。
律動が早まると同時に近付く絶頂。

「あっ、あぅっ、んん…っ!はぁあ、!や、も…いっちゃ、ぁああっ、!!」

「おい…まだ…イくんじゃねぇよ…」

「やだ…イきたい…りばい、さんっ…はやくっ、」

「イきてぇなら…言え。その跡、誰のものだ」

「だ…から、ほんと…に、知らな…っ」

「ほぅ…それならもうイかなくていいな。」

くちゅ、と音を立てて繋がりを解こうとするリヴァイ。
このまま最奥まで突いて、壊れるまで抱き潰したい気持ちをぐっと堪え抜けるか否かの所でピタリと止めた。

「本当に言わねぇんだな?」

「い、言います…、言うからもうっ、!!」

「…イけ」

何度か腰を打ち付ければビクンと痙攣して果てるエレン。
その締め付けに誘われるようにしてエレンの中に種付けしたリヴァイは、荒くなった息の重なる中静かに答えを待つ。

「…リヴァイさん…おれ…あの」

「早く言え、二発目行くぞ」

「えっ?!、えと、だから、リヴァイさんばっかり…跡、付けるから…おれも…リヴァイさんに、その…したくて…自分で練習…して…て…ぅう…っ」

聞いて、唖然とした。
まさか自分でつけた跡だとは…
それも俺に付けたかったからだなんて言われた日には理性なんて聞かなくなって当たり前だ。

……可愛すぎる。

「リヴァイさん…ご、ごめんなさい…恥ずかしくて…」

「もう一回スるぞ」

「へ、?!そ、んなっ、」

「その練習成果…見せろよ」

ニヤリと口角を上げたリヴァイは、エレンをベッドに運んで行くのだった。





fin.


   


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