S h o r t S t o r y
□腐男子?
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ジョンク堂、東支店。
リヴァイさんに見つからないように、あんな本やこんな本を手に入れている秘密の場所。
おれはさっそく、いつもの定位置に立った。
~BLコーナー~
リヴァイさんに似た主人公の漫画、リヴァイさんに似た口調の小説。
それは、パラパラと目を通し探している真っ最中だった。
「エレン?」
「えっ!」
すぐ後ろに立っていたのは、胸に『ジョンク堂』と刺繍されたエプロンを身に付けたリヴァイさんだった。
「お前…こんな所で、何してる…」
「あ、いや、えとこれはっ、その…」
買うつもりだった本を素早く棚へ戻す。
まさかここで働いてたなんて…!
同棲してるのにこんなことがバレたら……
「えっと…」
「と、とりあえず話は後だ。」
帰って待っとけ、と言われそそくさと家に戻る。
ああ、終わりだ。嫌われる。
こんな気持ち悪い趣味のやつと同棲なんてしたくないだろう。
出ていけと言われるまでだ。
ベッドで頭を抱えながら、無意識に夢へ落ちていた。