S h o r t S t o r y


□それでも やっぱり。
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「おい」

あぁ、まただ。
最近、こうゆうガラの悪そうな高校生によく絡まれる。
気が弱そうだとか、金持ってそうだとか、色んな理由だった。

次は何かと振り返れば、いつかの恋人とそっくりな高校生が一人。

まさか、よりによってあの人が高校生だなんてあり得ない、…よな。

「あの、おれ金とか持ってないんで」

自分自身ですら、一丁前の大人が言う台詞だとは思えない。
でも逆に神経を逆撫でするような事も避けたいから仕方ない。

「お前、エレンか?」

「そうです、けど…ぁ、あのもしかして…」

「リヴァイだ」

久しぶりに聞いた名前。
一人暮らしを始めた頃は、色んな所に行ってその名前を探した。
いつか約束した、『いつか必ず会える』って言葉を信じて…
それでもやっぱりあなたを見つけることは出来なかった。
まさかとは思ったけど、こんな簡単に巡り会えてしまうなんて。

「兵長だ…リヴァイ兵長がいる…っ、夢じゃない…っ…」

「おい、泣くな。情けないぞ」

「ずっと、探したんですよ…っ」

「そうか…俺もお前を探してた。昨日こっちに引っ越してきたんだ。そしたらお前がこんなところに、な」

「あの…よかったら家来て下さい。たくさん話したいこと、あるんで…」

まぁそうだな、と言った彼と、二人で歩いたのは何年ぶりだったかな…



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