S h o r t S t o r y


□恐 レ ト 不 安
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進撃祭り大量更新企画!



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「…兵長」

おれたちは兵士には秘密だが交際している。

けれど今こんな状況の世界で、恋人と、なんて暇はどこにもない。

突破された壁の中の小さな小屋で、俺は一人兵長を待ち続けていた。

彼は外へ薪を取りに行ったきり、帰ってきていない。

すぐ外は巨人の領域。
帰ってこない彼のことを心配するほど、嫌な想像が頭を駆け巡る。


おれは寒い小屋で、そんな想像消しとんでしまえ、と頭を振った。

***



…いつの間にか眠っていたようだった。

窓の外は明るく、朝になっている。

部屋が暖かい、と感じ、すぐにそれが兵長が帰った証だと確信した。


「…兵長!」

椅子に座り茶を飲んでいた彼に飛び付く。

「なんだ、どけ」

我に返ったエレンは、自分のとった行動に赤面した。


「おれ…昨日ずっと待ってたのに帰ってこなくて、すごく心配…しました…」

「悪かったな、巨人に遭遇しちまって、戦っていた。少なくとも四頭はいたな…」

「だっ…大丈夫だったんですか?!そんな、おれ…っ…」

「心配するな。俺はそんなことでは死なねぇ。」

帰ってきてからは、床で寝ているエレンを見て、すぐに薪で暖めてくれたらしい。

ついでに毛布までかけてくれたとか。

「おれ…兵長がいなくなってしまったらって…死んでしまったらって思って…っ…」

「大丈夫だエレン。みくびるな?」


「…兵長…死なないで…下さい…」


座る兵長の膝元にうずくまるおれを優しく抱き締めてくれた兵長は、とても暖かい。


生きている。


そう感じるだけで、心から安心する。

「エレン、お前には俺と同じ思いをさせたくねぇ。」

抱き締められながら、小さく呟く。
きっと昔のことを、思い出しているんだろう。
とても悲しくなってしまう。

「だから、お前を残しては死なねぇ。大丈夫だ」

「……兵長…」


この世界で生きる、それだけでも過酷なことなのに。
その上でおれを守ろうとしてくれている。



リヴァイ兵長、本当に…



本当に





「愛してます……」













fin.






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進撃14巻を読んで、ファンの方は心からそう思ったのではないかと思い、書かせてもらいました。

短い文なのは、シリアスなのでセリフ一言一言に重い意味があるからです。

中編を読みきったくらいの重さは感じられるハズ。
重さ感じたくないんですがね…汗

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