S h o r t S t o r y


□野 性
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【エレンside】



まだかな。

いろんな色をした、煙弾…


俺は巨大樹の森で一番 背の高い木の上にいる。


「遅い…今日は鳴らないのかな」



巨人の活動しない 夜だけは
俺は自由に 歩き回れる。


ストンっ。


達者なジャンプで 木から飛び降り、
巨人の 気配がないことを 確認した。


…つもりだった。


『……誰だ。』


見知らぬ声。
まず 俺はあまり 人と会話しない。

無意識のうちに 身構えたのを感じた。


「あなたこそ 誰ですか…ここは俺の縄張りだ。」


久しぶりの会話に 緊張しながらも
威嚇(いかく)を 続ける。


「…俺は…ただの野性…あなたは誰だ」


『野性?…どういう意味だ?』


「答えろ!誰だ!」


質問を質問で返され、
思わず 声をあらげた。

縄張りに入ってくる人間は
中々 珍しい。


『調査兵団 兵士長 リヴァイだ。お前を退治する気はない。野性というのは 何だ。』


「生まれた頃から 壁の外で暮らす…人間のことですよ」


尚も身構えながら、
ゆっくりと“彼”に話をする。


『壁の外で…暮らす…?』


「えぇ。まぁ…客人は久しぶりです。少し話をしましょうか。」





初めてリヴァイさんに出会った、

15歳の 初夏 であった。






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