S h o r t S t o r y


□感 触
2ページ/4ページ





(俺…もう死んじまうのか…?)


緊張で上手く歩けないながらも、
兵長の少し後ろを歩く。

行き先はもちろん、
兵長の部屋。

そこで俺はさぼっていた罰として
蹴られて…殴られて…血が……

リ「おい。入れと言ってるんだ。」

エ「は…い」


あぁ…兵長のいい香り…


…じゃなくて…!


リ「何してる。はやく肩を揉め。」


そう言い捨てると、
いつもの椅子にドカリと座った。

冷 や 汗 が 。


エ「あの…痛かったら言って下さい」

リ「お前が気を付けろ。馬鹿か。」


わかりました、と苦笑いしながら
恐怖とスリルの 肩揉みスタート。


エ「……………………」

リ「…………………………」

エ「………………………」

リ「……………何か話せ。」

エ ( ビクッ! )

真剣に揉みすぎて、
“会話”を忘れていた。
やばい。
話題が思いつかな…
あ。


エ「兵長、気持ちいいですか?」

よし。
アルミン打法で行こう。

リ「あぁ。す げ ぇ 久しぶりだからな。」


ああ…凄い いやみを言われた気が…

い…いや、負けるな俺!
イェーガー!

エ「肩揉みって、人に触れられているから気持ちよくなるらしいですよ。」


あれ。
アルミンの言ってたことって、
こういうことなんだよな……?

リ「筋肉がほぐされているからだろう。」

…っ。
話題が途切れてしまう…

エ「アルミンがそんな事を言ってたので…」

リ「ほぅ…あのキノコ頭がか。」

( 乗ってくれた…!!! )


くるっ。

いきなり椅子を回し、
俺と兵長は向かいあう状態になった。


綺麗な髪の毛……


…あー違う!…

今 気にしなきゃいけないのは、
この兵長の怪しすぎる視線。
向かいあった状態。
そして、次の瞬間の発言。





次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ