S h o r t S t o r y


□疲 レ モ 何 処 ヘ
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『…何故俺にそこまでする?』

予想外の言葉だった。
何故なのか自分にも分からない。

「…えと…それは…」

どう表現すればいいのかも分からない。

ただ一つあるとすれば…

「兵長が…大事だから…です」

何だ、まるで愛の告白でもするかの様な
気まずい雰囲気。

訳も解らず必死に言葉を探していた。

『…そうか。俺が大事か。エレンよ。』

再確認されて、急に恥ずかしくなる。

『なぁエレン。俺は疲れている。癒せるか?』

いつの間にか兵長は、
俺の目の前まで来ていた。

最後の一言は、誰もいないのに
俺にしか聞こえないくらいに小さく、色っぽく囁いた。

「ぃ…癒す…ですか?」

エレンは模範的に純情だ。

何をすればいいのかなんて解らないだろう。

『ふっ…俺の癒し方を教えてやろう…来い。』

一番奥の扉の中へ連れて行かれる。

「寝…室……?」

何故寝室なのか考えている間に、
兵長はもうベッドに入っていた。

『…横に来い』

言われるがまま、
兵長に向き合う形で添い寝をする。

き…気まずい。

「ぁ…あの…」

『もっと…寄れ。』

エレンは顔を赤くしながら、
兵長と脚を絡ませて真横まで近づく。

『…癒せ…』

「ぃ…癒すって…何をすれば…」

マッサージができる状態ではないし、
まず方法が思いつかない。

『腕回せ…ここに』

と言って兵長は自分の首を触った。



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