S h o r t S t o r y


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「兵長…」

自分以外誰もいない地下牢で

ただ独り呟く。

その声は冷たい壁と床に反射して

遠くで響いた。


絶対におかしい。

男が男を好きになるなんて…

ありえない。

きっとこの感情も尊敬から来ていて…

…こんなのが兵長にばれてしまえば

すぐに嫌われてしまうだろう。

複雑な気持ちのままで、

堅いベッドに横たわったエレンは

濡れはじめたソレに手を伸ばす。

「…ん…っ…」

兵長と身体を重ねている自分の姿。

二人が繋がり、愛し合っている姿。

ありもしない妄想を想い描けば、

すぐに達してしまうのだった。

「…はぁっ…はぁ…また…こんなこと…しちゃ…った…」

酸素が足りなくて息が荒くなる。

ゆっくりと呼吸を取り戻そうとしていた時だった。


カシャン

「…えっ?」

突然、鉄格子の音が近くに鳴った。

気づかなかった。

『どうした。様子がおかしいが』

中途半端に息は荒く、絶頂の直後で

頬は臼桃色になっていた。

「なっ…何でもないですっ…」

バレちゃ駄目だ。

バレたらおしまいだ…。

エレンの脳はそれしか思考できなかった。

『熱でもあんのか?ったく…」

兵長の手がエレンの猫のような額に
触れた。

「ひっ…」

ビクンッと身体が反応する。

「ぁの…ぃ…今のは…びっくり…しただけで…」

『今俺がてめぇのを触ったら…
どうなるんだろうなぁ…エレンよ』

布団を剥ぎ取り、兵長の手がエレンの

モノに触れようとする。

「ぃやっ…です!」

恥ずかしさのあまり兵長の手を叩いて
しまっていた。

『チッ…大人しくしてろガキ。』

突然ベッドの端から現れた拘束道具で

いつの間にかエレンの両手両足は

完全に固定されてしまった。

『やっぱり…てめぇ一人でやってたのか?なぁ?』

触る前からぐしょぐしょに濡れたソコは、

ばれてしまった恐怖と

触ってほしいという欲望とで

更にトロトロになっていた。


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