リヴァイHPB企画 小説
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雪の舞う今夜は、エレンと二人きりで買い物に来ている。
あわゆる、デートというやつだ。
「リヴァイさん、手、恥ずかしい、です…っ」
「あ?いつもこれより恥ずかしいコトシてんじゃねぇか」
季節なんて忘れたかのように急に体温が上がっているエレンを見て、ほんの少しだけ微笑んだ。
「みーんな閉まってますね…close close close...」
俺の仕事で、必ず遅い時間からのデートになってしまう。
人通りが少なくて助かることもあるが、エレンの行きたいような店はもうとっくに閉店している。
「行きたいところは、あるか」
「えっ?えっと、んー…おれ、リヴァイさんとこうして歩いてるだけで幸せなんで、どこもないです!強いて言うなら…リヴァイさんの行きたい所に行きたい、です…」
わざとなのか無自覚なのか、
…無自覚だろうが、さらりと落とし文句を並べるこいつはどこまでもあざとい。
こんな夜中に、俺の行きたい所に行きたいと言えば1つしかないだろう。
「行くぞ」
「どこ、ですか?」
「俺の行きたい所、だ」
繋いだ手を少し強引に引いて、そこへ向かった。