書斎
□始まりは…
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「シンタロー君っ♪」
そう言って俺の横にぴったり座るのは、
メカメカ団だか何だかの団員No.3、カノさん。
「何ですか……てか近いです」
「あれ、意識してくれてんのー??」
にこにこしながら頬をすりよせてくる。
まるで…いや完全に猫だ。
「僕やっぱシンタロー君好きぃー」
「もー分かりましたからいい加減__」
と、引き剥がそうとしたところに
ガチャ、と扉が開き キドさんが帰ってきた。
「あ、おかえりキドー」
「ただい…………?!…すまん、邪魔したな」
そう言いながらすたすたと部屋に入ってしまう。
きっとあれだ、あの顔は勘違いしてる。
「ほら、キドさん勘違いしてますからもうどいてくださいって」
「えーヤダ。」
俺の右腕はまるで抱き枕のようにガッチリとホールドされている。
「んーじゃシンタロー君が僕に好きって言ってくれたら退いてあげる」
にっこりと笑顔をつくってみせた。
正直、この笑顔は可愛いと思う。
まぁ必ず裏のある笑顔なんだけどな…
「はいはい、好きですからどいて__」
「じゃ付き合ってくれるよね?」
「…え?」
一瞬 時間が止まったように固まる。
こいつ、女だったのか?!
いや、それはない。
だとしたらあれか、ほ… ホ……
「…ホモなのか?」
「??なにそれ」
は…いや、こっちが何それだよ!!
男が男に告白して「ホモって何」って!!
「ねぇシンタロー君、付き合ってくれるよね?」
「い…いや俺、男…」
「なんで?シンタロー君 僕のこと好きって言ったよね?」
「い…言ったけどさ……」
「じゃあ付き合わない理由はないよね?」
どんどんカノの顔が近づいてくる。
「ねぇ?」
「わ…わかった、分かったから、近いっ…」
「え、ホント?ありがと♪」
そう言った刹那、俺の右頬に温かく柔らかい何かがあたる。
あれ、これって…………
「うぁぁあああぁぁっ!」
「あはっ、ちゅーしちゃった♪」
まぁ、こんな感じで
俺とカノさんの奇妙なラブストーリーが始まったわけで…
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